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顔認証システムとは?種類・事例・選び方を解説【2026年版】

  • 1 日前
  • 読了時間: 9分
青い背景に「顔認証システムとは?種類・事例・選び方を解説」と白字で書かれており、左下に鍵と錠のイラスト。

顔認証システムとは?種類・事例・選び方を解説【2026年版】

※本記事は、アビココ株式会社が提供するサービスに関連する内容を含みますが、読者の皆さまに有益な情報をお届けすることを目的として執筆しています。


顔認証システムの導入を検討しているが、種類が多くてどれを選べばいいか分からない——そんな疑問を持つ方に向けて、この記事では顔認証システムの基本から種類・活用事例・選び方まで体系的に解説します。

顔認証システムとは

顔認証システムとは、カメラで撮影した顔画像をAIが解析し、事前に登録された顔データと照合することで個人を識別する仕組みです。


鍵やパスワードが不要で、非接触でスムーズな認証が可能(立ち止まらず通過できる設計の製品も多い)なため、セキュリティと利便性を両立できる点が特徴です。


技術的な仕組み(顔検出から照合までの4ステップ)については、「顔認証の仕組みとは?検出〜照合まで4ステップで解説」をご参照ください。


顔認証システムの主な種類

顔認証システムは用途によって大きく4種類に分類されます。


アクセス制御・入退室管理型

オフィスや施設の入退室を顔認証で管理するシステムです。ICカードや暗証番号と比較してなりすましリスクを低減できる点が特徴ですが、写真・動画・ディープフェイクによる攻撃を完全に防げるわけではありません。生体検知(Liveness Detection)機能の有無を確認することが重要です。


  • 主な用途:オフィスのドア開錠、データセンター入室、マンションエントランス

  • 認証速度:0.1〜1秒程度(製品・環境による)


勤怠管理型

打刻時に顔認証を行うことで、代理打刻(いわゆる「なりすまし打刻」)を防止するシステムです。タイムカードや指紋認証と組み合わせて使われるケースも多いです。


  • 主な用途:工場・小売・サービス業の従業員勤怠

  • 特徴:既存の勤怠システムと連携できる製品が増加


監視・セキュリティ型

カメラ映像をリアルタイムで解析し、特定人物の検出や不審者アラートを行うシステムです。空港・駅・大型商業施設など、広範囲をカバーする用途に使われます。


  • 主な用途:空港のボーダーコントロール、店舗の万引き防止、イベント会場の安全管理

  • 注意点:プライバシー・個人情報保護法の観点から、設置・運用ルールの整備が必要


マーケティング分析型

来訪者の性別・年齢層・表情(感情)を統計的に分析するシステムです。個人識別を行わない設計のものも多いですが、設定や運用によっては個人識別に該当する場合があります。導入前に個人情報保護法への対応方針を確認してください。


  • 主な用途:小売店のデジタルサイネージ、ショールーム来訪者分析

  • 特徴:個人識別を行わない構成であれば、プライバシーリスクを比較的抑えられる


業界別の活用事例


オフィス・ビル管理

入退室管理をカードレスに切り替えることで、カード紛失リスクや管理コストを削減する事例が増えています。複数拠点を持つ企業では、拠点ごとの入退室ログを一元管理できる点も評価されています。


医療・介護

病院や介護施設では、患者・利用者の本人確認を非接触で行うシステムの活用が広がっています。感染症対策としての非接触ニーズが、導入を後押しした側面もあります。スタッフの勤怠管理に活用している施設もあります。


小売・商業施設

一部で導入が進む顔認証決済や、店内カメラによる来訪者属性分析(性別・年齢層の統計)に活用されています。属性データを元に、陳列や販促施策を改善する取り組みも見られます。


公共施設・交通インフラ

空港の搭乗手続き(顔認証ゲート)や、鉄道改札での活用が進んでいます。国土交通省の「顔認証を活用したスムーズな移動の実現」施策により、今後も導入拡大が見込まれる分野です。


顔認証システムの選び方・導入前チェックリスト

顔認証システムを選ぶ際に確認すべきポイントを整理します。


① 認証精度(FAR・FRR)

顔認証の精度は2つの指標で評価されます。

指標

意味

現在の高精度システムの目安

FAR(他人受入率)

他人を本人と誤認証する確率

0.0001%〜0.01%程度(製品・環境条件による)

FRR(本人拒否率)

本人を拒否する確率

0.1%〜1.0%以下


FARが低いほどセキュリティが高く、FRRが低いほど使いやすい。この2つはトレードオフの関係にあるため、用途に応じてバランスを確認することが重要です。FRRが1%を超えると「100回に1回エラー」が起きるため、運用現場でのストレスになります。


② 生体検知(Liveness Detection)の有無

2026年現在、写真・動画・ディープフェイクを使ったなりすまし攻撃への対策として、生体検知機能の搭載が選定の重要基準になっています。


  • 2D Liveness Detection:まばたき・頭部動作などを検知

  • 3D Liveness Detection:赤外線センサーで顔の立体構造を判定。偽物への耐性が高い


高セキュリティが求められる用途(データセンター・金融機関等)では、3D対応製品を推奨します。


③ エッジAI型 vs クラウドAI型

顔認証の処理をどこで行うかによって、プライバシー対応・遅延・オフライン動作に違いが生じます。

方式

処理場所

メリット

注意点

エッジAI型

端末・カメラ本体

低遅延・オフライン可・顔データの外部送信を最小化できる(構成による)

端末コストが高め

クラウドAI型

ベンダーサーバー

スケーラブル・管理しやすい

通信障害時のリスクあり

個人情報の外部送信を抑制できるため、閉域環境や高セキュリティ要件の現場での採用が進んでいます。


④ 設置環境への対応

  • 照明条件:逆光・暗所での認証精度を確認する

  • マスク・眼鏡対応:2021年以降、マスク着用時の認証に対応した製品が増加

  • カメラの画角・距離:設置場所によって必要な仕様が変わる



⑤ 既存システムとの連携

勤怠管理システム・入退室管理システム・防犯カメラとの連携可否を確認します。APIで連携できる製品かどうかが、導入後の運用コストに大きく影響します。


⑥ プライバシー・法規制への対応

顔認証に使用する顔画像は個人情報保護法上の個人情報に、顔特徴量(テンプレートデータ)は個人識別符号に該当します。以下を事前に確認してください。


  • 利用目的の明示・同意取得の方法

  • データの保存期間・削除ポリシー

  • 第三者提供の制限


なお、2024年に施行されたEU AI Actでは、公共空間におけるリアルタイム遠隔生体認証は原則禁止(一部例外あり)とされており、日本でも同様のガイドライン強化の動きがあります。


デメリットや注意点の詳細は「顔認証の落とし穴?導入前に知っておくべきデメリットと具体対策」もご覧ください。


⑦ サポート・保守体制・フェイルセーフ

  • 認証失敗時の代替手段(バックアップ認証)があるか

  • 通信障害・システム障害時のオフライン認証機能の有無

  • フェイルセーフの設計:障害発生時に物理キー・PINコードへ切り替えられる手順があるか

  • ソフトウェアのアップデート・セキュリティパッチの提供体制

  • 国内サポートの有無


情シス担当者が最も恐れるのは「認証できなくてドアが開かない」「システム停止で業務が止まる」というシナリオです。導入前に障害時の対応フローを必ず確認しておくことを推奨します。


なお、顔認証は「認証(1:1照合」だけでなく「識別(1:N照合)」用途でも使われます。用途に応じてどちらの照合方式が必要かを確認することも、製品選定の重要な判断基準です。


導入コストの目安

顔認証システムの導入費用は、クラウド型かオンプレミス型か、カメラ台数、カスタマイズ度合いによって大きく異なります。

導入タイプ

初期費用

月額費用

向いている規模

クラウド型(SaaS)

数万円〜

1万〜10万円/月

小〜中規模

オンプレミス型

数十万〜数百万円

保守費のみ

中〜大規模

カスタム開発

数百万〜

要相談

独自要件がある場合


クラウド型は初期投資を抑えられる反面、データを外部サーバーに預けることになるため、セキュリティポリシーとの整合性を確認してください。


既存業務システムとの深い連携が必要な場合や、業界固有の要件がある場合は、カスタム開発が適していることがあります。


よくある質問

Q. 顔認証システムはマスクをしていても認識できますか?

A. 2021年以降に登場した製品の多くはマスク着用時の認証に対応しています。ただし精度はメーカー・製品によって差があります。導入前にマスク着用時のFRRを確認することを推奨します。


Q. 顔認証データの管理は誰が行いますか?

A. クラウド型はベンダーのサーバーに、オンプレミス型は自社サーバーに保存されます。顔画像は個人情報、顔特徴量は個人識別符号に該当するため、保存場所・利用目的・削除ポリシーの整備が必要です。


Q. 双子や似た顔の人でも区別できますか?

A. 区別可能とされる製品もありますが、条件によっては誤認識の可能性もあります。高精度が求められる用途では、顔認証単体に頼らず追加認証(PIN・ICカード等)との併用が推奨されます。


Q. 顔認証システムの導入にどのくらい時間がかかりますか?

A. クラウド型の場合、最短数日〜数週間で稼働できる製品もあります。オンプレミス型やカスタム開発は、要件定義から稼働まで数ヶ月程度かかることが一般的です。


Q. 既存の入退室管理システムに後付けで追加できますか?

A. API連携に対応した製品であれば後付けが可能なケースがあります。既存システムのAPI仕様と、導入予定の顔認証システムの連携可否を事前に確認してください。


まとめ

顔認証システムは、アクセス制御・勤怠管理・監視・マーケティング分析の4種類に大別されます。選定のポイントは「認証精度(FAR・FRR)」「生体検知(Liveness Detection)」「エッジAI vs クラウドAI」「プライバシー・法規制対応」「フェイルセーフを含むサポート体制」の5点です。


2026年現在、法規制の厳格化と攻撃手法の高度化を踏まえ、セキュリティ要件の確認と運用設計が導入成否を左右します。業界固有の要件や既存システムとの深い統合が必要な場合は、カスタム開発という選択肢も検討に値します。また、顔認証単体ではなくICカードやPINコードと組み合わせた多要素認証(MFA)の採用も増えており、セキュリティ要件に応じた設計が重要です。


アビココ株式会社では、顔認証を活用したカスタムAIシステムの開発を承っています。「既存システムと連携したい」「独自の認証フローを実現したい」といったご要件がございましたら、お気軽にご相談ください。


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