システム開発会社の選び方|発注先の見極め方と失敗しない見積もり依頼のコツ
- Yukaringo
- 3 日前
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更新日:2 日前

システム開発会社の選び方|発注先の見極め方と失敗しない見積もり依頼のコツ
※本記事は、アビココ株式会社が提供するサービスに関連する内容を含みますが、読者の皆さまに有益な情報をお届けすることを目的として執筆しています。
選び方を間違えると、プロジェクトは失敗する
「とりあえず有名な会社に頼めば安心でしょ?」
いやいや、ちょっと待ってください。システム開発って、会社の規模や知名度だけで選んじゃうと、けっこう痛い目を見るんですよ。
大手に依頼したら下請けに丸投げされて連絡が取りにくくなったり、逆に小規模な会社に頼んだら技術力が足りなくて納期が大幅に遅れたり…。こんな話、業界では日常茶飯事です。
実は、システム開発会社選びで本当に重要なのは、「体制」「理解力」「対応力」の3つ。つまり、「この会社は自分たちのビジネスをちゃんと理解してくれるか」「困ったときにしっかり対応してくれるか」という部分なんです。
IPA(情報処理推進機構)が公開している「機能要件の合意形成ガイド」でも、発注者と開発者の認識の齟齬がプロジェクト失敗の主要因として指摘されています。つまり、技術力だけでなくコミュニケーション能力が極めて重要ということですね。
今回は、失敗しない開発会社の選び方と、見積もり依頼時のコツを徹底解説していきます。
システム開発会社の種類と特徴
まず、システム開発会社にはいくつかのタイプがあるって知ってました?それぞれ得意分野も対応範囲も全然違うので、ここを理解しないと選びようがないんですよね。
① 受託開発会社
これが一番オーソドックスなタイプ。要件定義から設計、開発、テスト、納品まで、プロジェクト全体を一貫して請け負ってくれる会社です。
メリット:
プロジェクト管理を任せられるので、発注側の負担が少ない
品質管理体制がしっかりしている
納品後の保守・運用サポートも期待できる
デメリット:
費用は比較的高め
小規模案件は断られることも
柔軟性に欠ける場合がある
② SES企業(人材派遣型)
エンジニアを派遣してもらって、自社の開発チームの一員として働いてもらうスタイルです。
メリット:
必要なスキルのエンジニアをピンポイントで確保できる
人数調整がしやすい
比較的コストを抑えられる
デメリット:
プロジェクト管理は自社で行う必要がある
エンジニアの質にバラつきがある
成果物の責任の所在が曖昧になりがち
③ フリーランス/個人事業主
個人で活動しているエンジニアに直接依頼するパターン。
メリット:
コストが最も抑えられる
意思決定が早く、柔軟な対応が可能
専門性の高いエンジニアに出会えることも
デメリット:
大規模案件は対応できない
突然の離脱リスクがある
品質のバラつきが大きい
どれを選ぶべき?
正直、プロジェクトの規模や予算によります。基幹システムや大規模なWebサービスなら受託開発会社、社内ツールの小規模開発ならフリーランス、という感じで使い分けるのがベターですね。
良い開発会社を見極める5つのポイント
さて、ここからが本題。どんな会社を選べばいいのか、具体的なチェックポイントを5つ紹介します。
1. 要件理解と提案力
「こんなシステムが欲しいんですけど」と伝えたとき、ただ「できます」って答える会社より、「それならこういうアプローチもありますよ」と提案してくれる会社の方が信頼できます。
本当に良い開発会社は、あなたのビジネスそのものを理解しようとするんですよ。「何を作るか」だけじゃなくて、「なぜ作るのか」「どう活用するのか」まで掘り下げて聞いてくれる。
IPAの「機能要件の合意形成ガイド」では、発注者が要件を明確に伝えることと同時に、開発者側が積極的にヒアリングして要件を引き出すことの重要性が強調されています。初回打ち合わせで質問がほとんどない会社は要注意です。
2. 実績と技術スタックの透明性
「実績多数!」って書いてあっても、具体的に何を作ったのか見せてくれない会社、ありますよね。これ、けっこう危険信号です。
確認すべきポイント:
似た業種・規模のプロジェクト実績があるか
使用している技術スタック(プログラミング言語、フレームワークなど)が明確か
チーム体制(何人で開発するか)を説明してくれるか
技術の話をはぐらかす会社は、正直スキルが怪しいです。
3. 担当者の対応・信頼性
これ、本当に大事。システム開発って数ヶ月〜数年の長い付き合いになるので、担当者との相性が意外とプロジェクトの成否を左右します。
チェックポイント:
メールや電話の返信スピード
専門用語を分かりやすく説明してくれるか
こちらの予算や納期の制約を理解してくれるか
「できません」とハッキリ言えるか(できないことをできると言わない誠実さ)
「なんでもできます!」って言う会社より、「これは難しいですが、代替案としてこれはどうですか」と言える会社の方が100倍信頼できます。
4. 契約内容(保守体制・納品後サポート)
システムって、作って終わりじゃないんですよ。むしろ納品後の運用フェーズの方が長い。
経済産業省とIPAが公開している「情報システム・モデル取引・契約書」では、開発工程を細分化し、各工程での責任範囲を明確にすることが推奨されています。特に保守・運用フェーズの契約内容は、開発契約とは別に詳細を詰めるべきとされています。
確認すべき項目:
納品後のバグ対応期間(無償保証期間)
保守・運用サポートの内容と費用
仕様変更があった場合の対応プロセス
ドキュメント(設計書、マニュアル)の納品範囲
「保守は別料金です」って言われるのは普通ですが、その内容が不透明な会社は避けた方が無難です。
5. コミュニケーションのしやすさ
開発中って、絶対に想定外の問題が出てくるんですよ。そのとき気軽に相談できるかどうかが、プロジェクトの進行に大きく影響します。
理想的な開発会社:
定例ミーティングを提案してくれる
チャットツール(Slack、Teamsなど)での連絡に対応
進捗状況を可視化してくれる(タスク管理ツールの共有など)
「ちょっとした質問」にも丁寧に答えてくれる
逆に、「契約書に書いてないことは対応できません」みたいに融通が利かない会社は、開発中にストレスが溜まります。
見積もり依頼時に注意すべきポイント
見積もりって、ただ「いくらですか?」って聞けばいいわけじゃないんですよね。ここでの伝え方次第で、プロジェクトの成否が決まると言っても過言じゃないです。
目的を明確に伝える
「ECサイトを作りたいです」だけじゃ不十分。
IPAの「非機能要求グレード」では、システムに求められる要件を「機能要件」(何ができるか)と「非機能要件」(どのくらいの性能、セキュリティ、可用性が必要か)に分けて整理することが推奨されています。
伝えるべき内容:
なぜ作るのか(売上アップ? 業務効率化?)
誰が使うのか(一般消費者? 社内スタッフ?)
どんな機能が必要か(決済機能、在庫管理、会員登録など)
いつまでに必要か
どのくらいのアクセス数を想定するか
セキュリティレベルの要求
このあたりを最初に伝えると、開発会社も的確な提案ができます。
要件があいまいなまま依頼しない
「とりあえず見積もりください」って言いたくなる気持ち、分かります。でも、これやっちゃうと後で絶対揉めます。
あいまいな要件で見積もりを取ると:
開発が始まってから「こんなはずじゃなかった」が頻発
追加費用が次々と発生
納期が大幅に遅れる
最初は完璧じゃなくていいので、「だいたいこんな感じのものが欲しい」というイメージを伝えましょう。良い開発会社なら、曖昧な部分をヒアリングで具体化してくれます。
相見積もりの正しい比較方法
複数の会社から見積もりを取るのは当然なんですが、金額だけで比較しちゃダメです。
比較すべきポイント:
開発範囲(どこまで作ってくれるのか)
納期
保守サポートの内容
支払い条件(一括払い? 分割?)
開発体制(何人のチームで対応するか)
著作権・知的財産権の帰属
同じ「300万円」でも、A社は設計から納品後1年の保守まで込み、B社は開発だけで保守は別料金、なんてことがよくあります。条件を揃えて比較しないと意味がないんですよね。
経済産業省のモデル契約書では、著作権の帰属についても明確に定めることが推奨されています。納品後に「この機能を他社に移管したい」となったとき、著作権が開発会社にあると困ることもあるので要注意です。
「安すぎる見積もり」に注意
「他社より50万円も安い! ラッキー!」
いやいや、ちょっと待ってください。システム開発において、極端に安い見積もりは危険信号です。
価格重視の落とし穴
安さには必ず理由があります:
スキルの低いエンジニアが担当する
バグだらけのシステムが納品される
セキュリティ対策が不十分
見積もりに含まれていない作業が多い
開発中に次々と追加請求が来る
最終的に高額になることも
サポート体制が薄い
納品後のトラブルに対応してもらえない
ドキュメントがなく、他社に乗り換えるのも困難
下請けに丸投げされる
コミュニケーションが取りにくい
品質管理が行き届かない
もちろん、「効率的な開発で適正価格を実現している」という会社もあります。でも、相場より明らかに安い場合は、その理由をしっかり確認すべきです。
適正価格の目安
一般的なWebシステム開発の相場:
小規模(シンプルなCMS、業務管理ツールなど): 50万〜200万円
中規模(ECサイト、予約システムなど): 200万〜800万円
大規模(基幹システム、複雑なWebサービスなど): 800万円〜数千万円
もちろん機能や要件によって大きく変わりますが、これより極端に安い場合は要注意です。
良い発注関係を築くための工夫
システム開発って、発注側と開発側が対立構造になっちゃうことが多いんですよね。「言った・言わない」とか、「これは契約に含まれてない」とか。
でも、本来は同じゴールに向かうパートナーなはず。良い関係を築くための工夫を紹介します。
担当者間の定期ミーティング
週1回、30分でもいいので、定期的に進捗確認の場を設けましょう。
ミーティングでやること:
前週の進捗確認
今週の作業予定
課題や懸念事項の共有
ちょっとした質問や相談
これをやるだけで、「あれ? 全然違うものができてる…」みたいな悲劇を防げます。
仕様変更ルールの明文化
開発中に「やっぱりこの機能も追加したい」って思うこと、絶対ありますよね。でも、これが一番トラブルの元。
IPAのモデル契約書でも、仕様変更が発生した場合の手続きや費用・納期への影響の算定方法を事前に契約で定めておくことが推奨されています。
最初に決めておくべきこと:
仕様変更の申請方法(口頭? メール? 管理ツール?)
変更による費用・納期への影響の確認プロセス
軽微な変更と大きな変更の線引き
変更承認の責任者
「契約書に書いてあるから変更できません」じゃなくて、「変更は可能ですが、費用と納期にこう影響します」と透明性のある対応をしてくれる会社を選びましょう。
相互理解を深める努力
発注側も、開発の基本的な流れや用語を少し勉強しておくと、コミュニケーションがスムーズになります。
逆に、開発会社側にも「私たちのビジネスについてもっと知ってほしい」と伝えるのはアリ。現場を見学してもらったり、実際のオペレーションを体験してもらうのも効果的です。
お互いの領域を少しずつ理解し合うことで、「なんか噛み合わないな…」という状況を避けられます。
まとめ:見積もり段階で「信頼できるか」を見抜く
システム開発会社選びって、結局のところ「この会社を信頼できるか」の見極めなんですよ。
もう一度、重要なポイントをおさらいしましょう:
✅ 会社の規模や知名度より、体制・理解力・対応力を重視する
✅ 要件理解と提案力があるか確認する
✅ 実績と技術スタックの透明性をチェック
✅ 担当者との相性とコミュニケーションのしやすさを見る
✅ 契約内容、特に保守体制を明確にする
✅ 見積もりは金額だけでなく、開発範囲や条件を比較する
✅ 安すぎる見積もりには裏がある可能性を疑う
✅ 定期ミーティングと仕様変更ルールで良好な関係を築く
「なんとなく良さそう」で選ぶと、あとで後悔します。逆に、最初にしっかり見極めれば、開発中のストレスも大幅に減りますよ。
IPAや経済産業省が公開している各種ガイドラインも、ぜひ参考にしてみてください。特に初めてシステム開発を発注する方には、「情報システム・モデル取引・契約書」が契約書のチェックに役立ちます。
アビココに相談してみませんか?
「自社に合う開発会社って、結局どこなんだろう…」
「見積もりを比較しても、どこが良いのか判断できない…」
そんな悩みを抱えているなら、一度アビココ株式会社に相談してみてください。
アビココは、単なるシステム開発会社ではなく、あなたのビジネス課題を一緒に考えるパートナーです。
要件があいまいでも、ヒアリングを通じて一緒に要件定義
無理な提案はせず、予算・納期の制約を考慮した現実的なプラン
開発後の運用・保守まで見据えた長期的なサポート
IPAのガイドラインに準拠した透明性の高い契約・開発プロセス
「こんなシステムが欲しいけど、実現できるのかな?」というレベルの相談でも大丈夫。まずは気軽に話を聞いてみてください。
システム開発は、良いパートナーと出会えるかどうかで結果が大きく変わります。あなたのプロジェクトが成功することを心から願っています!
参考文献
外注先の選び方を理解したら、実際の外注全体の流れや費用感も把握しておくと安心です。👉 システム開発を外注する際のポイントと費用相場
外注のメリット・デメリットから、費用構成、契約・進行のステップまでを詳しく解説しています。
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