システム開発を外注する際のポイントと費用相場
- Yukaringo
- 2 日前
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システム開発を外注する際のポイントと費用相場
※本記事は、アビココ株式会社が提供するサービスに関連する内容を含みますが、読者の皆さまに有益な情報をお届けすることを目的として執筆しています。
なぜ今、システム開発を外注する企業が増えているのか
「うちもそろそろシステム化しないとまずいよね」って話、社内会議で出たことありませんか?
実は今、中小企業からスタートアップまで、幅広い企業がシステム開発の外注に舵を切っています。理由はシンプル。自社でエンジニアを抱えるより、必要なときに必要な技術を借りる方が、圧倒的に効率的だからです。
背景にあるのは、深刻なIT人材不足。経済産業省の調査によれば、2030年には最大約79万人ものIT人材が不足すると予測されています。優秀なエンジニアの採用は年々難しくなっていますし、採用できたとしても育成や定着には時間もコストもかかります。それなら「餅は餅屋」ということで、プロに任せてしまおう、というわけですね。
特にDXが叫ばれる昨今、業務効率化や顧客体験の向上を目指してシステムを導入する企業が急増中。外注はもはや「大企業だけのもの」ではなく、規模を問わず選択できる現実的な手段になっているんです。
システム開発を外注するメリット・デメリット
外注を検討するなら、良いことばかりじゃないってことも、ちゃんと押さえておきましょう。
メリット:専門性・スピード・コスト効率
専門性の高さが何より魅力です。最新技術やセキュリティ対策など、専門チームが持つノウハウは自社で一から構築するより確実。
開発スピードも段違い。経験豊富なチームなら、要件定義から納品までの流れがスムーズで、想定よりも早く完成することも珍しくありません。
そしてコスト効率。正社員として雇えば年間数百万円の人件費がかかりますが、外注なら必要なプロジェクトごとの契約。固定費を変動費化できるのは、経営的にも大きなメリットです。
デメリット:要件のズレ・コミュニケーションリスク・品質差
一方で、要件のズレは外注あるあるです。「こんなはずじゃなかった」となるのは、だいたい最初の認識合わせが甘かったから。
コミュニケーションコストも無視できません。メールやチャットだけでは伝わりにくいニュアンスがあったり、レスポンスの遅さにイライラしたり。
そして品質のバラつき。会社によって技術力も提案力も千差万別。安さだけで選ぶと、後で痛い目を見ることもあります。
つまり、外注先選びと初期のすり合わせが、成功の8割を決めるってわけです。
外注前に整理すべきこと(要件定義と目的設計)
「とりあえず見積もりください」は、失敗への最短ルートです。まずは自社でやるべきことがあります。
目的の明確化
「何のために作るのか」を言語化しましょう。売上を上げたいのか、業務時間を削減したいのか、顧客満足度を高めたいのか。目的が曖昧だと、完成したシステムも「使えるけど使いにくい」中途半端なものになりがちです。
要件定義書に書くべき内容
最低限、以下は固めておきたいところ。
誰が使うのか(利用者像)
どんな機能が必要か(Must have と Nice to have)
どんなデータを扱うか(データ量や種類)
既存システムとの連携があるか
納期とおおまかな予算感
完璧じゃなくてOK。でも「何となくこんな感じ」を形にしておくだけで、外注先との会話がグッとスムーズになります。
RFP(提案依頼書)の役割
複数の会社に相見積もりを取るなら、RFP(Request for Proposal)を作るのがベターです。要件を統一フォーマットで伝えることで、各社の提案を比較しやすくなります。
「うちRFP書けないんだけど…」という方、安心してください。最近は外注先が一緒に作ってくれるケースも多いので、相談してみるのもアリです。
外注費用の相場と構成要素
さて、気になるお金の話。「システム開発っていくらかかるの?」という質問、よく聞かれますが、正直「ピンキリです」としか言いようがありません。
開発規模別の費用感
目安としては、こんな感じです。
小規模開発(50〜300万円)シンプルなWebサイトや社内ツール、MVP(最小限の機能を持った製品)レベル。スタートアップや小規模事業者向け。
中規模開発(300〜1,000万円)業務システムやECサイト、アプリ開発など。一定の機能と拡張性を持たせたい場合。
大規模開発(1,000万円〜)基幹系システムや複雑な連携が必要なプラットフォーム。エンタープライズ向けや、長期運用を前提とした開発。
なお、IPA(情報処理推進機構)が公開する「ソフトウェア開発データ白書」では、実際の開発プロジェクト数千件のデータを分析しており、工数や費用の相場感を確認することができます。見積もりの妥当性を判断する際の参考になるでしょう。
工数・機能・開発体制による変動
費用は基本的に人月単価×工数で決まります。エンジニア1人が1ヶ月働いた場合の単価は、50万〜150万円が相場(スキルや経験によって変動)。
機能が増えれば増えるほど工数も増えるので、「あれもこれも」と詰め込むと費用は青天井。優先順位をつけて、段階的にリリースする戦略も有効です。
保守・運用コストも含めたトータル費用の考え方
ここ、意外と見落としがち。開発費だけでなく、保守・運用費も年間で数十万〜数百万円かかります。
サーバー費用
セキュリティアップデート
機能追加や改修
問い合わせ対応
「作って終わり」じゃないんですよね。トータルコストで見ると、初期費用が安くても後々高くつくケースもあるので、長期的な視点を持ちましょう。
外注先の選び方とチェックポイント
外注先選びは、ある意味「結婚相手」を選ぶようなもの。長く付き合えるパートナーを見つけることが大事です。
実績・技術力・対応スピード
まずは実績を確認。自社と似た業界やプロジェクトの経験があるかチェックしましょう。ポートフォリオや事例紹介を見れば、だいたいの雰囲気がつかめます。
技術力は、使っている技術スタック(プログラミング言語やフレームワーク)で判断。最新技術に強いのか、安定した技術で堅実に作るのか、自社のニーズに合っているかが重要です。
そして対応スピード。見積もり依頼への返信が遅い会社は、開発中もレスポンスが遅い可能性大。初動の速さは信頼のバロメーターです。
コミュニケーション体制(担当者の質)
担当者が「ちゃんと話を聞いてくれるか」は超重要。専門用語を並べて煙に巻こうとする人より、分かりやすく説明してくれる人の方が、結果的に良いものができます。
「この人となら一緒にプロジェクトを進められそう」と思えるかどうか。直感も案外、当たります。
提案力・要件理解力
「御社の言う通りに作ります」だけの会社より、「こうした方がいいんじゃないですか?」と提案してくれる会社の方が、成果物のクオリティは高くなります。
要件をただ受け取るだけでなく、背景や目的まで深掘りしてくれるか。そこに本当の価値があります。
よくある失敗と防止策
先人の失敗から学びましょう。外注プロジェクトで「やらかした」事例は山ほどあります。
契約・仕様書の曖昧さ
「だいたいこんな感じで」という曖昧な契約は、トラブルの温床。納品物の範囲、修正回数、追加費用の発生条件など、文字で残すのが鉄則です。
仕様書も同じ。「普通はこうでしょ」という"普通"が、発注側と受注側で違うことはよくあります。細かすぎるくらいでちょうどいい。
認識のズレによる再開発
「できたものを見たら、想像と全然違った」という悲劇。これを防ぐにはモックアップやプロトタイプの段階で確認することです。
ワイヤーフレーム(画面の設計図)を見せてもらうだけでも、認識のズレは大幅に減らせます。
スケジュール遅延の原因
遅延の原因は、だいたい以下のどれか。
要件変更が頻繁に起こる
レビューや確認が遅れる
予期せぬバグや技術的課題
完璧な計画は無理でも、余裕を持ったスケジュールと、変更管理のルールを決めておくと、致命傷は避けられます。
外注を成功させるための実践ステップ
では、具体的に何をすればいいのか。5つのステップで整理しましょう。
ステップ1:要件定義の整理
まずは社内で「何を作りたいか」を固めます。関係者全員の意見を聞いて、優先順位をつけておきましょう。
ここで手を抜くと、後が全部ブレます。逆に、ここがしっかりしていれば半分成功したようなもの。
ステップ2:複数社への見積もり依頼
1社だけに頼むのはリスキー。最低でも3社くらいから見積もりを取りましょう。価格だけでなく、提案内容や相性も比較できます。
ステップ3:比較・検討
提案書を並べて、冷静に比較。価格、技術力、実績、提案内容、担当者の印象…総合的に判断します。
安いだけで飛びつかないこと。「安物買いの銭失い」は、システム開発では特に痛いです。
ステップ4:契約・進行管理
契約したら、定期的に進捗確認のミーティングを。週次や隔週で状況を共有すると、問題の早期発見につながります。
「お任せします」スタイルは危険。適度に口を出す(干渉しすぎない程度に)のがベストです。
ステップ5:納品・運用
納品時は、動作確認をしっかりと。想定通りに動くか、必要な機能が全て揃っているか、チェックリストを作って確認しましょう。
そして運用フェーズへ。保守契約を結んでおけば、トラブル時も安心です。
まとめ:信頼できるパートナーと長期的な関係を
システム開発の外注は、一度きりの取引じゃなく、長い付き合いになることが多いもの。だからこそ、価格だけで選ばず、信頼できるパートナーを見つけることが何より大切です。
最初のプロジェクトがうまくいけば、次の開発も、その次も、安心して任せられる。そんな関係性を築けるかどうかが、外注成功の鍵なんです。
「餅は餅屋」。でも、餅屋選びは慎重に。そして、選んだら信じて一緒に走る。それが、システム開発外注の極意です。
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