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デイサービス送迎業務の注意点10選|トラブルを防ぐために現場が気をつけていること

  • 執筆者の写真: Yukaringo
    Yukaringo
  • 8月13日
  • 読了時間: 7分

更新日:9月8日

※本記事は、アビココが提供するサービスに関する広告・PRを含みます。

送迎業務の注意点10選|トラブルを防ぐために現場が気をつけていること

デイサービス送迎業務の注意点10選|トラブルを防ぐために現場が気をつけていること


デイサービスの送迎業務について調べていると、気になる統計が見えてきます。デイサービスの利用者や送迎車両の数も増加している一方で、利用者送迎中の事故の増加が問題視されています。実際に、2022年8月に福岡県で介護施設職員が送迎中に歩行者をはねて死亡させた事故では、禁固1年8カ月、執行猶予3年の有罪判決が下されており、2023年9月には埼玉県で送迎車のアクセル誤操作により利用者2人が死亡、職員が負傷した事故で懲役3年6カ月の実刑判決が言い渡されています。


こうした現状を踏まえ、今回は業界資料や事故報告書の分析、関係機関の調査結果から見えてきた送迎業務の注意点を10個にまとめました。データに基づいた情報として、現場での安全対策の参考にしていただければと思います。


1. 車両点検の重要性|事故防止の基本中の基本

送迎車両は、一般の車に比べて使う頻度が多く、走行距離も延びるので、それだけ車の部品に負担がかかります。タイヤやブレーキパッドの摩耗はブレーキの効きに直結するので、整備が不十分だと事故につながる可能性があります。


JAFの調査によると、送迎車両の不備が事故原因の一つとして挙げられており、日常点検の重要性が強調されています。タイヤの空気圧、ブレーキの効き具合、ウィンカーやライトの動作確認など、基本的な点検項目の徹底が求められています。


特に福祉車両の場合、リフトやスロープの動作確認も必須で、利用者の乗車前の不具合発覚はスケジュール全体に影響を及ぼすため、事前チェックが欠かせません。


2. 利用者情報の事前把握|安全な送迎のための情報収集

新規のデイ利用者を送迎する場合などには、情報共有が不足していると、不慣れな送迎ルートを運転する不安から焦りが生まれ、思わぬ事故につながることがあります。


各自治体が定める事故報告書の様式を見ると、利用者の身体状況や認知機能の状態、その日の体調変化などの記録が重視されていることがわかります。車椅子使用の有無、歩行器の必要性、認知症の症状など、詳細な情報把握が安全な送迎の前提条件となっています。


3. 時間管理とスケジューリング|過密運行のリスク回避

デイサービスの送迎は、限られた時間で多くの利用者を運ぶ必要があるため、時間に余裕を持った運行をすることが難しい場合があります。急いで運転すれば、事故を引き起こす原因にもなりかねません。


業界の実態調査では、運行スケジュールの過密さが事故リスクを高める要因として指摘されています。業務過多によってスケジュールが過密となれば、ストレスや疲労から運転に対する集中力が欠けて注意が散漫になり、事故に発展しやすくなります。


4. 乗降介助時の安全対策|利用者との接し方

認知症を患う利用者も少なくないので、意思疎通が難しいことがあります。送迎中に予期しない行動が発生すると、運転のペースが乱れて事故に発展することもありえます。


実際の事故事例では、「後部座席で利用者が物音を出していたため、ルームミラーで確認するなどしていた」ことが事故原因の一つとして挙げられています。利用者の状態変化への対応方法を事前に確立しておくことの重要性が浮き彫りになっています。


5. 車内環境の整備|利用者の快適性と安全性

JAFの安全運転講座では、送迎車内の環境整備が重要な要素として取り上げられています。高齢者の方は温度変化に敏感なため、適切な温度管理とエアコンの風向き調整が必要です。

また、車椅子は転がりやすいので、車内の固定は念入りに確認しましょうという安全対策が推奨されており、移動中の安全確保が重要視されています。


6. 適切なルート選択|安全第一の路線計画

ハンドルを握る前に、あらかじめ送迎ルートを確認し、おおよその移動時間を把握しましょう。また、時間帯による渋滞箇所や工事箇所、道幅などその他危険ポイントを確認すると良いでしょう。


7. 緊急時対応の準備|万が一への備え

介護サービスの提供により事故が発生した場合、厚生労働省令により、速やかに市町村、入所者の家族等に連絡を行うとともに必要な措置を講ずることとされており、事業所は事故発生後速やかに遅くとも5日以内に事故報告書の提出を行うことが求められています。


緊急時の対応手順が法的に定められており、適切な初動対応が求められています。送迎業務中、急に利用者の体調が悪くなることも考えられます。場合によっては、運転を取りやめ、その場に車を停車させての対応も考慮しておく必要があります。


8. 職員・地域住民との関係性|送迎業務の社会的責任

送迎スタッフは利用者や家族にとって施設の顔となる存在です。近隣住民への配慮も含め、騒音や駐車位置への注意が求められています。特に朝夕の送迎時間は住民の生活時間と重なるため、細やかな配慮が必要とされています。


9. 記録・報告の法的義務|事故防止のための情報共有

デイサービスをおこなう介護施設で、事故が発生した場合には、その記録を「事故報告書」として残すことが厚生労働省によって義務付けられています。


日常的な記録や報告は、法的義務であるとともに、継続的な安全性向上のための重要な取り組みです。小さな変化や気づきの積み重ねが、重大事故の防止につながります。


10. ドライバーの資質と教育|高齢化への対応

高齢化の影響は、送迎車両を運転するドライバーの平均年齢にも及んでいるようです。内閣府の人口比率予測では、令和47(2065)年には、65歳以上の者1人に対して1.3人の現役世代という比率になるとされています。


ペダル踏み間違い事故における死亡重傷事故は、全体の大多数を占めているのは65歳以上のドライバーであることが、2018年〜2020年の事故統計でわかっています。この現実を踏まえ、日本福祉車両協会では「教育が不十分で正しい知識のないまま、施設での我流やスタッフの自分流での送迎が日常的となっているところに事故の温床がある」として、福祉送迎運転者講習会を定期開催しています。


まとめ:データが示す送迎業務の現実と課題

統計データや事故事例を分析すると、デイサービスの送迎業務は単純な運転業務ではないことが明確になります。人手不足の介護業界において、利用者の送迎はワンオペレーションでおこなわれていることが少なくありませんし、運転に慣れた専任ドライバーが送迎を担当するのではなく、介護職員が介護と兼任してハンドルを握るケースも多く見受けられ、そもそも運転のスキルが不足しているといった可能性も考えられます。


こうした業界の構造的課題がある中で、各事業所では安全性向上のための様々な取り組みが求められています。しかし、人的リソースには限界があるのも現実です。


送迎業務の効率化と安全性向上をサポート|AI自動配車システム「ナビれる」

私たちアビココでは、こうした業界の課題を受けて、送迎業務に特化したAI自動配車システム「ナビれる」を開発いたしました。


統計データが示す送迎業務の複雑さ—複雑なルート作成、時間管理の難しさ、職員の負担増—これらの課題解決をAI技術でサポートします。利用者情報と道路状況を分析し、最適な送迎ルートを自動作成。限られた人的リソースをより効果的に活用し、職員の皆さんが本来の介護業務により集中できる環境づくりをお手伝いします。


送迎業務の安全性向上と効率化について、ぜひ一度ご相談ください。

詳しくは公式サイトをご覧いただければと思います。

現場の「困った」を「安心」に変えるお手伝いができれば幸いです。


注意点の積み重ねで安全は守られますが、それだけでは業務改善にはつながりません。送迎の現実と効率化への道筋を整理した記事はこちらです。


デイサービス送迎完全ガイド:業界の現実と効率化への道筋
www.abicoco.co.jp
デイサービス送迎完全ガイド:業界の現実と効率化への道筋
※本記事は、アビココが提供するサービスに関する広告・PRを含みます。デイサービス送迎完全ガイド:業界の現実と効率化への道筋はじめに「デイサービス送迎、やっぱり大変だよな…」多くの介護事業者の方がそう感じているのではないでしょうか。送迎業務は、デイサービス運営の生命線でありながら、実は最も頭を悩ませる業務の一つですよね。実際のところ、全国のデイサービス事業所は4万3018事業所(2024年4月時点)と前年同月から361事業所減り、2年連続で減少しているという厳しい現実があります。競争が激化する中で、送迎業務の効率化は事業継続の鍵を握っているのです。本記事では、システム開発を通じて介護業界を支援してきた立場から、デイサービス送迎業務の現状と課題、そして効果的な解決策について詳しく解説していきます。デイサービス送迎業務の全体像送迎業務の基本的な流れデイサービスの送迎業務は、一見シンプルに見えて実は非常に複雑な作業の連続です。朝の迎えから夕方の送りまで、以下のような流れになっています:朝の迎え(7:00-10:00頃)1. 前日の送迎表確認とルート最終調整2. 車両点検とアルコールチェック3.

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