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デイサービス送迎どこまでOK?範囲・自宅内対応を解説【2026年】

  • 5月14日
  • 読了時間: 13分
2026年版 管理者向けのガイド、デイサービス送迎に関するルールを青背景に白文字で説明する画像。ナビれるボタンあり。

デイサービス送迎どこまでOK?範囲・自宅内対応を解説【2026年】

※本記事は、アビココ株式会社が送迎業務に関する一般的な情報を提供することを目的として執筆しています。個別の制度解釈や可否判断については、必ず所管の保険者(市区町村)または専門家にご確認ください。本記事の内容は法的・行政的アドバイスを提供するものではありません。


「デイサービスの送迎はどこまでOKですか?」

現場で担当者が受ける質問の中でも、この「どこまで」は特に答えに迷うことが多いはずです。なぜなら、「どこまで」という問いには2つの意味が混在しているからです。


  1. 地理的な範囲:自宅以外の場所(親族宅・病院・遠方)への送迎はOKか?

  2. 自宅内の範囲:玄関まで?居間まで?どこまで入っていいか?


この2つを整理しないまま「どこまで」と問われると、答える側も迷います。本記事では、2026年現在の制度ルールをもとに、この2軸をそれぞれ丁寧に整理します。



1. 「どこまで」には2つの意味がある

まずこの整理表を見てください。

「どこまで」の意味

具体的な問い

ルールの根拠

地理的範囲

親族宅・病院・遠方への送迎はOKか?

施設の運営規程・ケアプラン・保険者の解釈

自宅内の範囲

玄関まで?居間まで?居室まで?

居宅内介助等を所要時間に含める要件(老企第36号)

この2つは制度上のルートが別々です。「玄関まで入っていいか」という問いと「息子の家まで送っていいか」という問いは、まったく別の判断基準で答える必要があります。

以降、それぞれ順番に解説します。


2. 自宅の「どこまで」入ってOKか(居宅内介助のルール)

送迎時に自宅のどこまで入れるかは、居宅内介助等を通所介護の所要時間に含めるかどうかで判断が変わります。


玄関まで:すべてのデイサービスが行う基本対応

自宅の玄関先まで利用者を送り届ける(または迎えに行く)のは、送迎サービスの基本です。資格の有無に関わらず、施設の職員が行います。


ただし、「玄関先で引き渡して終わり」ではなく、利用者が安全な状態であることを確認するまで行うのが望ましい運用です。玄関に鍵がかかっている場合の確認も含め、引き継ぎの質を高めておくことが現場リスクの低減につながります。


居室・居間まで(居宅内介助):条件を満たせば所要時間に含められる

玄関を越えて自宅内に入り、居間やベッドまでの移動介助・移乗介助・トイレ介助などを行う場合、これは「居宅内介助等」として扱われます。要件を満たす場合、その時間(1日30分以内)を通所介護の所要時間に含めることができます。以下の条件をすべて満たす必要があります。

条件

内容

資格要件

以下のいずれかに該当するスタッフが行うこと:介護福祉士・実務者研修修了者・旧介護職員基礎研修修了者・旧1級課程修了者・初任者研修修了者(旧ホームヘルパー2級)・看護職員(看護師・准看護師)・機能訓練指導員・一定の勤続年数がある介護職員(老企第36号)

計画への記載

「居宅サービス計画(ケアプラン)」および「通所介護計画」の両方に、居宅内介助等を行う旨が位置付けられていること

必要性の確認

利用者が1人では安全に移動できない状態であること

時間制限

居宅内での介助は1日30分以内

車内待機不可

居宅内介助が必要な利用者がいる便では、同乗者を車内に残さない運用にすること

居宅内介助を断れるケース

以下の状況では、居宅内介助を断ることができます。

  • 担当スタッフが老企第36号で定める要件を満たしていない

  • 居宅サービス計画・通所介護計画のいずれかに居宅内介助等の記載がない

  • 他の利用者を車内で待たせることになる

  • 30分以内に完了できない見込みがある


断る際の注意点:要件を満たさないスタッフが「善意で」居宅内介助を行うことは、事故発生時に施設の責任問題になりかねません。「要件を満たすスタッフが担当する便のときに対応します」と代替案とともに伝えるのが現場での現実的な対応です。


3. 送迎先は「どこまで」行けるか(地理的範囲)

原則:利用者の居宅(自宅)まで

デイサービスの基本報酬には送迎コストが含まれており、送迎先の原則は利用者の居宅(自宅)です。


「送迎をしたから加算がつく」のではなく、送迎を実施しない場合に送迎未実施減算(片道47単位)が適用される仕組みです。1単位10円換算(地域区分により異なる)で片道約470円・往復約940円の売上減となります。


基本報酬の対象となる送迎先

送迎先

基本報酬の対象

条件(令和6年度Q&A準拠)

利用者の自宅

✅ 対象

原則

利用者の居住実態がある場所(親族宅等)

✅ 対象(条件付き)

①居住実態があること、②事業所のサービス提供範囲内等で運営上支障がないこと、③利用者・家族それぞれの同意があること

【注意】短期入所・小規模多機能等を利用中の方への送迎は、送迎の可否以前に報酬算定上の確認が必要です 短期入所生活介護等や小規模多機能型居宅介護等のサービスを受けている期間は、通所介護費を算定できない旨が厚労省告示に定められています。送迎対応の前に、そもそも通所介護費を算定できる状態かを確認してください。


原則として対象外となる送迎先

送迎先

理由

病院・クリニック

通所介護のサービス提供時間外の待機・付き添いは対象外

商業施設・スーパー

介護保険の対象外

施設の通常実施地域外(遠方)

施設の運営規程により対応が異なる

【病院への送迎について】 通院目的の送迎は大半の自治体では認められていません。「行き・帰りの途中で乗降場所として立ち寄る」ことについては、令和3年度Q&Aで一定条件下(訪問介護費を算定する場合等)に示されていますが、その場合は通所事業所側に送迎未実施減算が適用される点に注意が必要です。実務では「原則NG」と理解したうえで、対応が必要な場合は必ず保険者(市区町村)に事前確認してください。


【実務上の推奨】ケアプランへの反映と保険者確認 令和6年度Q&Aでは「居住実態」「運営上の支障なし」「利用者・家族の同意」の3条件が中心です。実務上は、担当ケアマネジャーに状況を共有し、居宅サービス計画への反映と保険者への確認を行うことでトラブルを防げます。判断が難しい場合は必ず保険者に事前確認してください。


4. 通常実施地域外・遠方への送迎と実費ルール

施設の通常実施地域を超えた送迎を依頼された場合、ガソリン代相当の交通費という形で対応できます。


「通常の実施地域」とは、各施設が運営規程で自由に設定できる送迎の対象エリアです。市区町村単位や施設から半径◯km圏内など、施設ごとに異なります。自施設の運営規程で確認してください。


【道路運送法との兼ね合いに注意】 「送迎費用(運賃)」として徴収する場合、道路運送法上の「自家用有償旅客運送」に該当する可能性があります。これを避けるため、「通常の実施地域を超えた場合のガソリン代相当の交通費」として運営規程に定めることが実務上よく用いられる整理です。ただしこれは絶対安全とは言い切れないグレーゾーンです。「燃費×走行距離」など実費の算出根拠を説明できる状態にしておくことが重要です。導入前に所管の行政窓口や法人顧問等に確認することを推奨します。


交通費徴収の実務ポイント

  • 金額の設定:「燃費×走行距離」など実費相当の算定根拠を明確にすること。事業所ごとに根拠が異なるため、他事業所の金額をそのまま参考にせず、自施設の実態に合わせた根拠を整理しておくことが重要(算出根拠が曖昧な場合は指導リスクあり)

  • 運営規程への明記:送迎実施地域の範囲と、超えた場合の取り扱いを記載する

  • 重要事項説明書への記載と同意:利用者・家族から書面で同意を取ること

  • 領収書の発行:金銭のやり取りがある以上、発行しておくのが安心


5. 送迎を断れる正当なケースと断り方

利用者や家族からの依頼であっても、以下のような理由がある場合は送迎を断ることができます。

  • 人員不足(ドライバー・介助員の確保が困難)

  • 車両の空き状況(定員超過)

  • 送迎先がケアプランに位置づけられていない

  • 道路状況・天候等による安全上のリスク

  • 施設の運営規程に定めた通常の送迎実施地域外である


断る際の3つのポイント

避けたい対応

推奨される対応

口頭のみで断る

理由を明確に伝え、可能であれば書面でも残す(義務ではないが、言った・言わないを防ぐため)

代替案を提示しない

介護タクシー等の代替手段を案内する

感情的に断る

制度・運営規程上の理由を丁寧に説明する

「どこまで断れるか」の根拠は、施設の運営規程に定めた送迎実施地域の範囲にあります。この範囲が書面化されていれば、「ルールとして断った」という正当性が明確になります。


6. 属人化を防ぐ送迎管理の3つの基盤

送迎範囲のルールは施設側が把握しているつもりでも、「あのスタッフならどこまでも対応してくれる」「この利用者には特別に対応してきた」という属人化が起きやすい業務です。

これを防ぐには次の3点が基盤になります。


  1. 運営規程に「通常の送迎実施地域」を明記する(曖昧な運用を防ぐ最大の防衛線)

  2. 例外送迎・居宅内介助のケアプラン確認をフロー化する(担当者によるバラツキをなくす)

  3. 送迎記録を一元管理する(紙・Excelから脱却し、引き継ぎの根拠を残す)


特に1つ目の「運営規程への明記」は、断り方の根拠にも、交通費徴収の正当性にも直結します。「なんとなく対応してきた」状態から脱却するための最初の一歩です。


デイサービスをはじめ、放課後等デイサービスや透析クリニックなど送迎業務がある施設では、送迎ルートや実施記録をデジタルで一元管理できるツールを活用することで、ルール運用の徹底と業務の平準化を同時に進めることができます。


送迎業務全体の効率化については「デイサービス送迎業務の効率化方法」も参考にしてください。


7. よくある質問(FAQ)

Q1. 自宅の玄関まで入ってもらえますか?居間まで付き添ってほしいのですが。

A. 玄関先までの対応は送迎の基本サービスとして行います。居間や居室まで入る「居宅内介助等」は、①介護福祉士・実務者研修修了者・初任者研修修了者・看護職員等の資格を持つスタッフが行うこと、②居宅サービス計画および通所介護計画の両方に位置付けられていること、③他の利用者を車内で待たせないこと、④1日30分以内であること、の条件を満たした場合に、その時間を通所介護の所要時間に含めることができます(老企第36号)。担当ケアマネジャーにご相談ください。


Q2. 息子の家まで送ってほしいと言われました。対応できますか?

A. 令和6年度Q&Aでは、①その場所に利用者の居住実態があること、②事業所のサービス提供範囲内等で運営上支障がないこと、③利用者・家族それぞれの同意があること、の3条件を満たせば対応できるとされています。実務上は、担当ケアマネジャーへの共有と居宅サービス計画への反映、保険者への確認を行っておくとトラブルを防げます。


Q3. 病院に寄ってから施設に送ってほしいと言われました。

A. 通院目的の送迎は、ほとんどの自治体で基本報酬の対象外とされています。行き・帰りの途中で乗降場所として立ち寄ることについては、一定の条件下で認められる場合がありますが、実務では非常に限定的です。「原則NG」とご理解いただき、対応が必要な場合は必ず保険者(市区町村)に事前確認してください。


Q4. 施設から非常に遠い自宅への送迎は断れますか?

A. 断ることができます。施設の運営規程に定めた送迎実施地域外であること、または人員・車両確保が困難であることが正当な理由になります。断る際は理由を明確に伝え、介護タクシーなどの代替手段を案内してください。


Q5. 送迎先が変わるたびにケアプランを変更しなければなりませんか?

A. 令和6年度Q&Aでは、「居住実態があること」「運営上支障がないこと」「利用者・家族の同意があること」が条件です。送迎先が頻繁に変わる場合は、担当ケアマネジャーと事前に状況を共有し、必要に応じて居宅サービス計画への反映を確認しておくと、その都度の判断コストが下がります。


Q6. 送迎を断った後に苦情が来た場合はどうすればいいですか?

A. 断った理由を明確に伝え、苦情対応記録や業務日誌に経過を残しておくことが防御策になります(書面が最も望ましいが義務ではない)。実地指導(監査)の際にも、苦情対応記録が保存されていることが「適切に対応した」という根拠になります。施設の運営規程に送迎実施地域・断り方針をあらかじめ明記しておくことが、事前のトラブル防止に最も効果的です。


8. まとめ

「送迎はどこまで」の答えは、2つの軸で整理するとシンプルになります。

「どこまで」の軸

判断の基準

自宅内の範囲

玄関まで:基本対応。居宅内介助等:資格・居宅サービス計画+通所介護計画記載・1日30分・車内待機なし(老企第36号)

送迎先の地理的範囲

原則は居宅。例外(居住実態ある場所)は①居住実態②運営上支障なし③利用者家族の同意(令和6年度Q&A)。実務上はケアマネ共有・計画反映も推奨

実施地域外への対応

運営規程にガソリン代相当の実費を明記し、書面同意を取る

断れる根拠

施設の運営規程に定めた送迎実施地域の範囲


判断に迷ったときのチェックリスト

  • □ 送迎先は居宅か?自宅内ならどこまでの介助が必要か?

  • □ 居宅内介助等の場合、担当スタッフが老企第36号の要件を満たしているか?

  • □ 居宅サービス計画・通所介護計画の両方に位置付けられているか?

  • □ 自宅以外への送迎の場合、居住実態・同意・運営上の支障の3点を確認したか?

  • □ 運営規程に定めた送迎実施地域の範囲内か?


→ 1つでも不安があれば、保険者に確認してから動く


※最終的な可否判断に迷う場合は、必ず管轄の市区町村(保険者)の介護保険担当窓口へ相談してください。自治体独自の解釈が存在する場合があるため、事前確認が最も安全なリスクヘッジになります。


送迎ルールを理解していても、日々のルート調整や記録が追いつかない――そういった声は現場でよく聞かれます。送迎範囲の記録管理や業務の平準化についてお悩みの方は、AI自動配車ツール「ナビれる」の無料モニターもご検討ください。送迎業務がある医療・福祉施設向けに開発されたサービスです。現在、先着100事業所に1年間無料でご利用いただけます(初期費用0円・導入サポート無料)。


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参考文献


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