デイサービス送迎どこまでOK?範囲・断り方を解説【2026年】
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デイサービス送迎どこまでOK?範囲・断り方を解説【2026年】
※本記事は、アビココ株式会社が送迎業務に関する一般的な情報を提供することを目的として執筆しています。個別の制度解釈や可否判断については、必ず所管の保険者(市区町村)または専門家にご確認ください。本記事の内容は法的・行政的アドバイスを提供するものではありません。
デイサービスの送迎は「どこまで」が正解なのか、現場では判断に迷うことが多いですよね。
「息子の家まで送ってほしい」「病院に寄ってから施設へ」「いつもと違う場所で降ろしてほしい」――利用者や家族からのこうした要望に、日々どう答えるか悩んでいる担当者の方も少なくないはずです。
本記事では、2026年現在の制度ルールをもとに、送迎範囲の基本・例外・断り方・実費対応の注意点を整理します。
1. 送迎の「基本ルール」と減算の考え方
まず、制度の大前提を確認しておきましょう。
デイサービス(通所介護)の基本報酬にはあらかじめ送迎のコストが含まれています。そのため「送迎をしたから加算がつく」のではなく、送迎を実施しない場合に「送迎未実施減算」が適用されるという仕組みです。減算は片道47単位(往復94単位)が基本で、1単位10円換算(地域区分により多少前後)では片道約470円・往復約940円の売上減となります。管理者として経営へのインパクトも把握しておきましょう。
現場で意識すべき問いは「加算が取れるか?」ではなく、「この送迎先は基本報酬の対象となるか(減算を避けられるか)?」です。
基本報酬の対象となる送迎の要件
要件 | 内容 |
送迎先の原則 | 利用者の居宅(自宅) |
例外的な送迎先 | ケアプランへの位置づけに加え、サービス目的や保険者判断に適合していること |
実施者 | 施設職員が直接行うこと |
この「送迎先」と「ケアプランの記載」の2点が、すべての判断の起点になります。
2. 自宅以外への送迎はどこまでOKか
「居宅(自宅)」が原則ですが、例外として認められるケースがあります。ポイントは「ケアプランに明記されているか」です。
基本報酬の対象となる送迎先
送迎先 | 基本報酬の対象 | 条件 |
利用者の自宅 | ✅ 対象 | 原則 |
親族宅(家族介護の負担軽減目的) | ✅ 対象(条件付き) | ケアプランへの位置づけが必要 |
短期入所施設(ショートステイ等) | ✅ 対象(条件付き) | ケアプランへの位置づけが必要 |
小規模多機能型居宅介護の拠点 | ✅ 対象(条件付き) | ケアプランへの位置づけが必要 |
原則として対象外となる送迎先
送迎先 | 理由 |
病院・クリニック(受診中の待機や診察終了までの付き添いを含む場合) | 通所介護のサービス提供時間外の待機・付き添いは対象外 |
商業施設・スーパー | 介護保険の対象外 |
施設の通常実施地域外(遠方) | 施設の運営規程により対応が異なる |
【病院への送迎について補足】
ほとんどの自治体では、通院目的の送迎は認めていません。例外的に認められるケース(居宅と施設の移動の途上における乗降場所としての活用等)は制度上存在しますが、実務ではかなり限定的です。「病院に寄ってほしい」という依頼には原則としてお断りし、対応が必要な場合は必ず保険者(市区町村)に事前確認してください。自治体ごとに判断が異なるため、確認なしでの対応は避けてください。
【重要】ケアプランへの記載は「必要条件」であって「十分条件」ではありません
ケアプランに記載があっても、①通所介護の目的に合致しているか、②通所介護の範囲内か、③保険者(市区町村)の解釈に沿っているか、これら3点も満たす必要があります。「ケアプランに書けば何でもOK」ではないため、判断が難しい送迎先については必ず保険者に事前確認してください。
現場でよく起こるケースとして「親族宅への送迎」があります。「家族の介護負担を軽減するための居住場所」として認められていますが、基本報酬の対象とするためにはケアプランへの記載に加えて、保険者の解釈が合致しているかの確認が前提です。担当ケアマネジャーと事前に確認しておきましょう。
3. 通常の送迎範囲外への対応と注意点
施設の通常実施地域を超えた送迎を依頼された場合、交通費(ガソリン代相当)の徴収という形で対応できます。
※「通常の実施地域」とは、各施設が運営規程で自由に設定できる送迎の対象エリアのことです。市区町村単位や施設から半径◯km圏内など、施設ごとに異なります。初めて管理者になった方は、まず自施設の運営規程でこの範囲を確認してみてください。
【重要】道路運送法との兼ね合い・グレーゾーンの注意
「送迎費用(運賃)」として徴収する場合、道路運送法上の「自家用有償旅客輸送」に該当する可能性があります。これを避けるため、「通常の実施地域を超えた場合のガソリン代相当の交通費」として運営規程に定めることが実務上よく用いられる整理です。ただし、これは「絶対に安全」とは言い切れないグレーゾーンである点を認識してください。特に金額設定が高すぎる・距離計算が曖昧な場合は指摘を受けるリスクがあります。また、2024〜2026年にかけて自治体による指導が厳しくなるケースも増えているため、「燃費×走行距離」など実費の算出根拠を説明できる状態にしておくことが重要です。導入前に所管の行政窓口や法人の顧問等に確認することを推奨します。
交通費徴収の実務ポイント
金額の目安:1kmあたり100〜200円程度で設定している事業所が多い(地域差あり。高額設定や距離計算が曖昧な場合は指導で指摘されるリスクあり)
運営規程への明記:通常の送迎実施地域の範囲と、超えた場合の取り扱いを明記する
重要事項説明書への記載と同意:利用者(または家族)から書面で同意を取ること
領収書の発行:金銭のやり取りがある以上、発行しておくのが安心
4. 送迎を断れる正当なケース
利用者や家族からの依頼であっても、以下のような理由がある場合は送迎を断ることができます。
人員不足(ドライバー・介助員の確保が困難)
車両の空き状況(定員超過)
送迎先がケアプランに位置づけられていない
道路状況・天候等による安全上のリスク
施設の運営規程に定めた通常の送迎実施地域外である
最後の項目が重要です。「どこまで断れるか」の根拠は、施設の運営規程に定めた送迎実施地域の範囲にあります。この範囲が書面化されていれば、「ルールとして断った」という正当性が明確になります。
断る際の注意点
避けたい対応 | 推奨される対応(ベストプラクティス) |
口頭のみで断る | 理由を明確に伝え、可能であれば書面でも残す(義務ではないが、後のトラブル防止に有効) |
代替案を提示しない | 介護タクシー等の代替手段を案内する |
感情的に断る | 制度・運営規程上の理由を丁寧に説明する |
5. 送迎管理をラクにする考え方
送迎範囲のルールは施設側が把握しているつもりでも、実際の現場では「あのスタッフならどこまでも対応してくれる」「この利用者には特別に対応してきた」といった属人化が起きやすい業務です。
こうした属人化を防ぐには、次の3点が基盤になります。
運営規程に「通常の送迎実施地域」を明記する(曖昧な運用を防ぐ最大の防衛線)
例外送迎のケアプラン確認をフロー化する(担当者によるバラツキをなくす)
送迎記録を一元管理する(紙・Excelから脱却し、引き継ぎの根拠を残す)
特に1つ目の「運営規程への明記」は、断り方の根拠にも、交通費徴収の正当性にも直結します。「なんとなく対応してきた」状態から脱却するための、最初の一歩です。
デイサービスをはじめ、放課後等デイサービスや透析クリニックなど送迎業務がある施設では、送迎ルートや実施記録をデジタルで一元管理できるツールを活用することで、ルール運用の徹底と業務の平準化を同時に進めることができます。
また、近年では人手不足対策として、近隣の他事業所と車両を乗り合う「共同送迎」の活用もルール上認められており、管理コスト削減の有力な選択肢となっています。自施設だけで送迎を完結させないという発想も、2026年現在の現場では重要な視点です。
送迎業務全体の効率化については「デイサービス送迎業務の効率化方法」も参考にしてください。
6. よくある質問(FAQ)
Q1. 施設から非常に遠い自宅への送迎は断れますか?
A. 断ることができます。施設の運営規程に定めた送迎実施地域外であること、または人員・車両確保が困難であることが正当な理由になります。断る際は理由を明確に伝え、介護タクシーなどの代替手段を案内してください。記録として残しておくこと(書面が最も望ましいが義務ではない)がトラブル防止につながります。
Q2. 親族宅への送迎は基本報酬の対象になりますか?
A. ケアプランへの記載は必要条件ですが、それだけで自動的に対象となるわけではありません。①通所介護の目的に合致しているか、②保険者(市区町村)の解釈に沿っているか、この確認も必要です。ケアマネジャーを通じて保険者に確認したうえで対応を決めることを推奨します。
Q3. 病院への送迎は基本報酬の対象になりますか?
A. 通所介護のサービス提供時間内に「中抜きで通院させること」は認められません。ただし、行き・帰りの途中で病院に立ち寄り、乗降場所として使うことのみ、ケアプランへの位置づけと合理的な理由があれば一定の条件下で認められる場合があります(令和3年度改定以降)。いずれにせよ「原則NG」と理解したうえで、対応が必要な場合は必ず保険者(市区町村)に事前確認してください。
Q4. 送迎先が変わるたびにケアプランを変更しなければなりませんか?
A. 例外的な送迎先(自宅以外)については、ケアプランへの明記が必要です。送迎先が頻繁に変わる場合は、担当ケアマネジャーと事前に取り決めをしておくと、その都度の確認コストが下がります。
Q5. 送迎を断った後に苦情が来た場合はどうすればいいですか?
A. 断った理由を明確に伝え、事業所の苦情対応記録や業務日誌に経過を残しておけば(書面が最も望ましいが義務ではない)、苦情対応の根拠になります。実地指導(監査)の際にも、苦情対応記録や連絡帳のコピーが保存されていることが「適切に対応した」という防御策になります。施設の運営規程に送迎実施地域・断り方針をあらかじめ明記しておくことが、事前のトラブル防止に最も効果的です。
まとめ
デイサービスの送迎範囲について整理します。
ポイント | 内容 |
制度の考え方 | 基本報酬に送迎込み。実施しない場合は「送迎未実施減算」 |
送迎先の原則 | 利用者の居宅(自宅)まで |
例外送迎 | ケアプランへの位置づけ+通所介護の目的適合+保険者判断が必要 |
病院への送迎 | 原則対象外。自治体解釈が分かれるため保険者に確認 |
範囲外の対応 | 「ガソリン代相当の交通費」として運営規程に明記・同意を取る |
断れる根拠 | 施設の運営規程に定めた送迎実施地域の範囲 |
断り方 | 理由を明確に伝え、代替案を提示する(書面化は任意だが、言った・言わないを防ぐベストプラクティス) |
判断に迷ったときのチェックリスト
□ 送迎先は居宅か?
□ ケアプランに記載されているか?
□ 通所介護のサービス目的に合致しているか?
□ 保険者(市区町村)の解釈とズレていないか?
□ 運営規程に定めた送迎実施地域の範囲内か?
→ 1つでも不安があれば、保険者に確認してから動く
「どこまでOKか」は制度だけでなく、ケアプランの記載内容・施設の運営規程・利用者との合意の三つが揃って初めて判断できます。対応に迷ったときは、まず自施設の運営規程を確認することから始めてみてください。
※最終的な可否判断に迷う場合は、必ず管轄の市区町村(保険者)の介護保険担当窓口へ相談してください。自治体独自の解釈が存在する場合があるため、事前確認が最も安全なリスクヘッジになります。
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