デイサービス送迎マニュアルの作り方【9項目・テンプレ付き】
- 7月23日
- 読了時間: 11分

※本記事は、アビココ株式会社が提供するサービスに関連する内容を含みますが、読者の皆さまに有益な情報をお届けすることを目的として執筆しています。
デイサービス送迎マニュアルの作り方【9項目・テンプレ付き】
送迎マニュアルを整備したいけど、どこから手をつければいいかわからない——。担当者によってやり方が変わる、新人が来るたびゼロから説明している、といった課題を抱えているデイサービスの管理者・担当者の方は多いはずです。
この記事では、送迎マニュアルに必要な9つの記載項目と、そのままコピペして使えるテンプレートを解説します。作成の3ステップ・新人スタッフへの周知方法・定期更新のポイントまで、現場で実際に使える形でまとめました。
この記事でわかること
送迎マニュアルに必要な9つの記載項目
そのままコピペできるテンプレート
マニュアルの作り方3ステップ
新人教育への活用方法と更新ルール
なぜデイサービスに送迎マニュアルが必要なのか
送迎マニュアルの作成を直接義務づける法令はありません。ただし、通所介護ではサービス提供記録や事故記録などの整備・保存が求められており、事故防止や運営指導への備えとしても、送迎手順を文書化しておくことが重要です。
現場の観点からは、次の3つの理由でマニュアルが機能します。
安全事故の防止 乗降介助や緊急時対応の手順を統一することで、スタッフの判断ミスや対応漏れを防ぎます。
サービス品質の標準化 担当者が変わっても同じ品質で送迎できる仕組みを作ります。新人スタッフがすぐに現場で動けるベースにもなります。
コンプライアンス対応 事故発生時の記録・報告フローを定めておくことで、後の検証や保険対応をスムーズに行えます。事故防止や業務の標準化の観点から、送迎手順を文書化しておくことが望まれます。運営指導でも、事故防止体制や業務手順の整備状況について確認される場合があります。
送迎マニュアルに必要な9つの記載項目
① 運行前の準備・車両点検
出発前に毎回確認する項目をリスト化します。
車両の外観(キズ・パンク・タイヤの溝など)・灯火類・警告灯・燃料の確認
車内の清潔・備品(救急箱・消毒液・ブランケット等)の確認
乗車名簿・当日のルート・連絡先の確認
チェックリストの詳細な記載項目については「デイサービス送迎 安全ガイド」を参照してください。
② ドライバーの健康管理・アルコールチェック
道路交通法施行規則により、乗車定員11人以上の自動車を1台以上、またはその他の自動車を5台以上使用する事業所では、安全運転管理者の選任対象となります。安全運転管理者には、アルコール検知器を用いた酒気帯び確認と、確認記録の1年間保存が義務づけられています(2023年12月1日施行)。それ以外の事業所でも、以下を乗務前後に確認することを推奨します。
乗務前・乗務後のアルコールチェック(検知器使用が望ましい)
体調・睡眠・服薬状況の確認
確認結果の記録・保存ルール
なお、一般的なデイサービスの送迎は普通自動車第一種免許(普通免許)で対応できます。第二種免許は原則不要です(福祉有償運送など制度が異なるケースは除く)。送迎ドライバーに求められる資格・仕事内容の詳細は「デイサービス送迎ドライバーの仕事内容」で解説しています。
③ 乗降・移動介助の手順
乗降介助は転倒・転落事故が最も起きやすい場面です。手順を統一することがリスク低減につながります。
乗車時
利用者さんに声をかけてから介助を始める
シートベルト・車椅子固定は声に出して確認する
走行中
急ブレーキ・急ハンドルを避ける
利用者さんの様子を定期的に確認する
降車時
利用者の状態(車椅子・回転シートなど)に応じた介助方法で、安全に降車介助を行う
独りで降りてもらわない
乗降介助の具体的な手順については「デイサービス送迎 安全ガイド」で詳しく解説しています。
④ 走行中の注意事項
送迎はサービス提供に必要な範囲で行うのが原則で、買い物など送迎目的以外の立ち寄りは原則として行いません。マンション等の対応範囲や、ルートに入らない利用者への対応の選択肢は「デイサービスの送迎範囲はどこまで?」で詳しく解説しています
走行中の携帯電話・スマートフォン使用禁止
利用者さんの体調変化が見られた場合は安全な場所に停車して確認する
渋滞・迂回発生時は施設へ連絡するタイミングを明記する
⑤ 降車・引き渡しの手順
降車後は全員が車内から出たかを必ず確認する(車内残留防止)
家族・担当者への引き渡し確認をその場で行う
家族不在時の対応:あらかじめ定めた施設ルール・契約内容に従って対応する(多くの場合、施設へ報告し指示を仰ぐ運用)ことをマニュアルに明記する
⑥ 緊急時・事故対応フロー
緊急時は誰でも焦ります。フローチャート形式で記載しておくと、ミスが減ります。
体調急変時の対応フロー
安全な場所に停車する
意識・呼吸・脈拍を確認する
施設へ連絡する
必要に応じて119番通報する
搬送先・家族へ連絡する
ヒヤリハット・事故報告書を作成する
交通事故時の対応フロー
負傷者の有無を確認し、必要なら119番通報する
警察へ連絡する(110番)
施設・管理者へ報告する
相手方の氏名・連絡先・車両ナンバーを記録する
事故報告書を作成する
⑦ 送迎ルート・計画変更への対応
当日キャンセルが発生した場合の連絡フロー(誰に・いつ・どう連絡するか)
悪天候・道路規制による迂回時の判断基準
ルート変更の記録方法
送迎ルートの組み方・スケジュール作成の手順については「デイサービス 送迎スケジュールの作り方」を参照してください。
⑧ 送迎記録・運行管理表
国の基準では、通所介護計画、サービス提供記録、事故記録などは完結の日から法令上は2年間の保存が求められます(自治体条例で5年以上の場合あり)。記録に含める主な項目は以下のとおりです。
運行日・担当ドライバー名
利用者名・出発時刻・到着時刻
特記事項(体調変化・ヒヤリハット等)
⑨ 感染対策
乗車前の発熱・体調不良の有無の確認
乗降前後の手指消毒
走行中の換気(窓を少し開けるなど)
帰着後の手すり・ドア・シートの消毒
【コピペOK】送迎マニュアルテンプレート
以下のテンプレートを参考に、施設の実情に合わせて書き換えてお使いください。
運行前チェックリスト(記載例)
確認項目 | 確認内容 | 担当 |
車両外観 | キズ・汚れ・タイヤの状態(パンク・溝など)の確認 | ドライバー |
車内備品 | 救急箱・消毒液・ブランケット・乗車名簿 | ドライバー |
ドライバー確認 | アルコールチェック・体調・睡眠確認 | 管理者 |
ルート確認 | 当日の乗車名簿・ルート・連絡先の確認 | ドライバー |
燃料 | 残量確認・必要に応じて補給 | ドライバー |
体調急変時の対応フロー(記載例)
停車 → 意識・呼吸確認 → 施設へ連絡 → 必要なら119番 → 家族へ連絡 → 事故・ヒヤリハット記録を作成
交通事故時の対応フロー(記載例)
負傷者確認・救急要請(必要なら) → 警察へ連絡(110番) → 施設へ報告 → 相手方の情報を記録 → 事故報告書を作成
家族不在時の対応手順(記載例)
あらかじめ定めた時間、チャイムを鳴らして待機する
緊急連絡先へ電話する
連絡が取れない場合は施設へ報告する
施設の指示に従って対応する
対応内容を送迎記録に残す
送迎記録の記載項目(記載例)
項目 | 内容 |
運行日 | 年 月 日( 曜日) |
担当ドライバー | 氏名 |
利用者名 | 氏名 |
出発時刻 | : |
到着時刻 | : |
特記事項 | 体調変化・遅延・ヒヤリハット等 |
確認者 | 管理者サイン |
感染対策チェックリスト(記載例)
タイミング | 対応内容 |
出発前 | 利用者の発熱・体調不良の有無を確認 |
乗降時 | ドライバー・利用者ともに手指消毒 |
走行中 | 適宜換気(窓を少し開ける) |
帰着後 | 手すり・ドア・シートの消毒 |
マニュアルを3ステップで作る手順
Step1:現状の手順を洗い出す
まずは、今の送迎業務で「実際に何をやっているか」を書き出します。ベテランスタッフへのヒアリングや、1日の送迎に同行して観察するのが効果的です。
チェックポイント:
どの手順が人によって違うか
過去にトラブルやヒヤリハットが発生した場面はどこか
新人に一番説明しにくいのはどの部分か
Step2:テンプレートに落とし込む
Step1で洗い出した手順を、9項目テンプレートに当てはめます。最初から完璧にする必要はなく、「現時点での最低限のルール」を書くことを優先しましょう。
ポイント:
「誰がやっても同じ結果になるか」を確認しながら書く
「適宜」「必要に応じて」など曖昧な表現は具体的な行動に置き換える
フローチャートや表を活用すると、現場で読みやすくなる
Step3:スタッフへ配布・読み合わせをする
マニュアルは作るだけでは機能しません。全スタッフへの配布と、短時間の読み合わせがセットです。
周知のポイント:
朝礼やミーティングの場で、要点を声に出して確認する
新人スタッフは最初の乗務前に読み合わせを実施する
「わかりにくかった点」のフィードバックをもらい、次のバージョンに反映する
ドライバーの基本業務・研修の進め方については「デイサービス送迎ドライバーの仕事内容」も合わせてご覧ください。
作ったマニュアルを機能させる3つのポイント
① 年1回以上、定期的に見直す
送迎マニュアルは「一度作って終わり」ではありません。以下のタイミングで見直しを行いましょう。
年1回の定期レビュー
法令・ガイドラインの改定時
スタッフの入れ替わり(退職・新入職)のタイミング
② ヒヤリハット事例で内容を更新する
ヒヤリハットが発生したら、その内容を踏まえてマニュアルを更新します。「なぜそうなったか」「どうすれば防げたか」を記載に加えることで、現場での実用性が高まります。
③「読む」から「使いながら覚える」へ
マニュアルを新人スタッフに渡して「読んでおいて」とするだけでは、なかなか定着しません。実際の送迎に同乗しながら確認する形が最も効果的です。
よくある質問
Q. 送迎マニュアルは法律で作成が義務づけられていますか?
送迎マニュアルの作成を直接義務づける法令はありません。ただし、通所介護ではサービス提供記録や事故記録などの整備・保存が求められています。送迎時の事故防止やスタッフ間の手順統一のため、整備しておくことをおすすめします。
Q. 走行中に利用者の体調が急変した場合はどう対応すればよいですか?
速やかに安全な場所へ停車し、施設へ連絡します。意識障害や強い症状がある場合は迷わず119番通報を行います。対応フローをマニュアルに明記しておくことで、現場が冷静に動けるようになります。
Q. 家族が不在で利用者を引き渡せなかった場合は?
あらかじめ定めた施設ルール・契約内容に従って対応します(多くの場合、施設へ報告し指示を仰ぐ運用です)。この対応方針をマニュアルに明記しておくと、担当者が迷わず動けます。
Q. 送迎マニュアルはどのくらいの頻度で見直すべきですか?
年1回以上の定期見直しを目安にすることをおすすめします。ヒヤリハット事例の共有、法令改定、スタッフの入れ替わりのタイミングでも随時更新することが大切です。
Q. 新人ドライバーへのマニュアル周知はどうすればよいですか?
入職時のオリエンテーションでマニュアルを用いた説明を行い、実際の送迎に同乗しながら確認する形が効果的です。マニュアルは「読む」だけでなく「実際に使いながら覚える」ことが定着につながります。
Q. 送迎に運転免許は必要ですか?特別な資格はいりますか?
一般的なデイサービスの送迎は普通自動車第一種免許(普通免許)で対応できます。第二種免許は原則不要です(福祉有償運送など制度が異なるケースは除く)。乗降介助を伴うため、介護の基礎知識があると現場対応がスムーズになります。詳しくは「デイサービス送迎ドライバーの仕事内容」の記事で解説しています。
まとめ
デイサービスの送迎マニュアルに必要な9つの記載項目と、すぐに使えるテンプレートを解説しました。
① 運行前の準備・車両点検
② ドライバーの健康管理・アルコールチェック
③ 乗降・移動介助の手順
④ 走行中の注意事項
⑤ 降車・引き渡しの手順
⑥ 緊急時・事故対応フロー
⑦ 送迎ルート・計画変更への対応
⑧ 送迎記録・運行管理表
⑨ 感染対策
マニュアルは「作ること」よりも「現場で機能させること」が目的です。テンプレートを活用して、まず最低限の内容から整備を始めてみてください。
参考資料
本記事の作成にあたり、以下の公的資料を参考にしています。制度改定により内容が変わる場合があるため、最新の運用は各自治体・監督官庁の発表をご確認ください。
厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準」
厚生労働省「介護保険最新情報」(制度改定の確認用)
道路交通法施行規則(安全運転管理者制度)
各自治体が定める介護サービス運営基準(記録の保存年限など)
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送迎マニュアルの整備は、確かに施設運営において重要ですが、現場での実用性を確保することが肝要です。そのために、担当者が変わっても同じ品質で送迎できるシステムの構築が必要です。特に、のようなサービスの導入を検討することで、業務効率の向上が期待できるかもしれません。マニュアル作成後も、定期的な見直しやフィードバックが不可欠です。