介護送迎にAIを導入すると何が変わる?効果・費用対効果を徹底解説
- 6月9日
- 読了時間: 9分

介護送迎にAIを導入すると何が変わる?効果・費用対効果を徹底解説
※本記事は、アビココ株式会社が提供するサービスに関連する内容を含みますが、読者の皆さまに有益な情報をお届けすることを目的として執筆しています。
「AI送迎ツールが気になっているけれど、実際に何が変わるのかイメージできない」
複数施設を統括する立場では、新しいシステムの導入判断は慎重になります。「本当に効果があるのか」「費用に見合うのか」——この2つが判断の核心になることがほとんどです。
この記事では、AI送迎ツールの導入で何がどのくらい変わるのかを具体的な数字とともに整理し、費用対効果の試算方法まで解説します。
AI送迎ツールの仕組みや「何が自動化できるか」については、デイサービスの送迎を自動化すると何が変わるのかをあわせてご覧ください。
AI送迎ツールを導入すると何が変わるのか
AI送迎ツールの効果は、大きく5つの領域に分けられます。
① 配車計画にかかる時間
送迎業務で最も時間を取られるのが「毎朝の配車計画作成」です。利用者の乗降順、車椅子対応の有無、時間指定、当日のキャンセル——こうした条件を頭の中で整理しながら組み立てる作業は、慣れた担当者でも1〜2時間かかることが珍しくありません。
AI送迎ツールを導入すると、これらの条件をシステムが自動で考慮し、最適ルートを数分〜数十分で提案します。
条件の整理・組み合わせ判断をシステムが担うため、事例によっては1〜2時間かかっていた作成作業が大幅に短縮され、数分〜数十分で作成できるケースがあります。担当者の経験年数に依存せず、同じ品質の計画を毎日出力できる点も特徴です。
手動で行っていた作業時間をそのまま他の業務にあてられることが、最初に実感できる変化です。
② 燃料費・走行コスト
AIルート最適化の副次的な効果として、走行距離の短縮による燃料費削減があります。
複数の送迎車両がバラバラに動いている場合、AI最適化によってルートの重複や迂回を削減できます。「なるべく少ない車両で全員を送迎する」配車をAIが提案できるシステムでは、台数削減によるコスト効率の改善も見込まれます。
走行距離・走行時間の短縮により、燃料費やCO2排出量の削減につながるケースがあります。削減幅は施設の送迎条件によって大きく異なります。
③ 属人化とミスへのリスク
「配車担当者が休むと誰もできない」という属人化は、多くの施設が抱える課題です。AI送迎ツールを使うと、配車ノウハウがシステム上に蓄積されるため、担当者が変わっても同じ品質で計画を作れます。
また、手書きやExcelでは起きやすい転記ミス・乗降順の入れ忘れといったヒューマンエラーも、システムが条件を管理することで減らせます。
特に「急な欠席への対応」は、手動では全体のルートを組み直す手間が発生しますが、対応ツールではボタン操作でルートを再計算できる設計のものがあります。この「当日対応コスト」を削減できることは、現場担当者にとって大きな変化です。
④ ドライバーの負担
「初めてのルートでも迷わない」「今日の利用者の情報をその場で確認できる」——こうしたドライバー向けの支援も、AI送迎ツールが担う役割のひとつです。
スマートフォンアプリと連携するシステムでは、ドライバーはアプリを開くだけで当日のルート・利用者情報・変更通知を確認できます。電話連絡の往復が減り、施設スタッフのオペレーション負担も下がります。
⑤ 利用者家族への対応
「今どこにいるのか」「何時に着くのか」という家族からの問い合わせ対応は、現場スタッフの小さくないストレス源です。
GPS連動型のシステムでは、車両のリアルタイム位置を管理者が把握できるため、到着予測を即答できるようになります。問い合わせへの対応時間が短縮され、家族との信頼関係にもつながります。
AI送迎ツールの導入コスト:費用の全体像
AI送迎ツールの費用は、大きく3つに分けられます。
費用の種類 | 内容 | 相場感 |
初期費用 | システム設定・データ登録・研修 | 0円〜数十万円(ツールによる) |
月額費用 | 利用料(車両台数・ユーザー数課金が多い) | 数千円〜数万円/月 |
運用コスト | 担当者の操作時間・サポート費用 | ツールの使いやすさに依存 |
初期費用が無料のツールもあります。一方で、初期設定を自社で行う必要があるツールでは、データ登録や研修に予想以上の時間がかかるケースもあります。
選定時のポイント:月額費用だけでなく、「初期設定にかかる人的コスト」も含めてトータルで比較することが重要です。
ツールの種類・選び方の詳細はデイサービス向け配車システムの比較と選び方を参照してください。
「今のやり方」のコストを数字で出す方法
費用対効果を判断するには、まず「現状のコスト」を数字で可視化することが必要です。以下の手順で試算できます。
ステップ1:配車作業にかかっている時間を計測する
1週間、担当者が配車作業に費やした時間を記録します。
配車表の作成時間(毎朝)
当日キャンセルへの対応時間
ドライバーへの説明・確認時間
目安:施設の規模・利用者数によって異なりますが、1日1〜2時間、月に20〜40時間程度かかるケースがあります。
ステップ2:人件費に換算する
月間作業時間 × 時給 = 月間コスト
例)30時間 × 1,500円 = 月45,000円分の人件費相当
ステップ3:ツール費用と比較する
月間コスト(現状) − ツール月額費用 = 月間削減効果
例)45,000円 − 10,000円 = 月35,000円の削減効果
この試算が「プラス」であれば、導入するほど得になります。複数拠点を統括している場合は、拠点数を掛けて試算してください。
費用対効果の判断基準:投資回収の考え方
投資回収期間の目安
初期費用がかかるツールの場合、「何ヶ月で元が取れるか」を計算します。
初期費用 ÷ 月間削減効果 = 投資回収期間(月)
例)初期費用100,000円 ÷ 月35,000円削減 ≒ 約3ヶ月で回収
自社の投資判断基準としては、6ヶ月以内・12ヶ月以内などの回収ラインをあらかじめ決めておくと判断しやすくなります。
数字に表れにくいコストも考慮する
費用対効果の試算では、数字になりにくいコストも見落とさないようにしましょう。
属人化リスク:配車担当者が退職・休職した場合の引き継ぎコスト
ミス対応コスト:送迎ミス発生時の対応・クレーム処理にかかる時間
採用・育成コスト:新担当者へのルート教育にかかる時間
これらは数字にしにくい分、見落とされがちですが、実際には大きなコスト要因になっています。
送迎コストの全体像については介護送迎のコスト削減も参考にしてください。
複数拠点で導入する場合の注意点
3施設以上を統括する立場では、1拠点ずつ導入するより複数拠点を一括管理できるかどうかが重要な選定基準になります。
確認すべきポイント
確認項目 | 理由 |
複数拠点を1つのアカウントで管理できるか | 拠点ごとにログインが必要だと管理コストが増える |
拠点間の車両を共有して配車できるか | 共同運行に対応していると台数削減の効果が出やすい |
管理者権限と現場権限を分けられるか | 統括者と現場担当者で見える情報を分けられると安心 |
データを一元管理・集計できるか | 複数拠点の稼働状況・コストを比較できると経営判断に使える |
段階的な導入も選択肢に
全拠点を一度に切り替えるリスクを避けたい場合は、1拠点で試験導入→効果確認→順次展開という進め方も有効です。その際、ツール提供会社が段階的な移行をサポートしてくれるかどうかも確認しておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
Q1. AI送迎ツールを導入すると、具体的にどのくらい時間が短縮されますか?
施設の規模や利用者数によって異なります。事例によっては、手動で1〜2時間かかっていた配車計画作成が大幅に短縮され、数分〜数十分で作成できるケースがあります。ただし、初期設定期間(1〜2ヶ月)は操作習熟のための時間がかかるため、効果測定は導入3ヶ月目以降で行うのが現実的です。
Q2. 小規模施設(利用者20人以下)でもAI導入の効果はありますか?
利用者数が少なくても、条件(車椅子対応・乗降順・時間帯指定など)が複雑な施設では効果が出やすいです。また、担当者が1人で配車を抱えている場合、その方が不在になったときのリスクが大きいため、属人化解消の観点から導入価値があります。
Q3. Excel管理と何が違うのですか?
Excelは汎用ツールのため、「当日キャンセルが出たときの全体ルート再計算」「複数車両の最適な組み合わせ判断」はすべて手作業になります。AI送迎ツールはこれらをシステムが自動処理するため、突発対応のたびに計算し直す手間がなくなります。また、Excelはファイルが個人PCに依存しやすく、担当者交代時にノウハウが引き継がれないリスクがある点も違いのひとつです。
Q4. 導入後、現場スタッフへの研修はどのくらい必要ですか?
ツールによって異なりますが、管理者向けには設定・操作の研修が数時間程度、ドライバー向けにはスマートフォンでルートを確認する操作説明が30分程度で済む設計のものが多いです。導入前にサポート内容を確認しておくことをお勧めします。
Q5. 既存の介護ソフト・請求ソフトと連携できますか?
ツールによって対応状況が異なります。連携できると利用者情報の二重入力が不要になり、運用効率が上がります。現在使っているソフト名を伝えた上で、導入前にベンダーへ確認することを推奨します。
Q6. 費用対効果をどのタイミングで評価すればいいですか?
導入後1〜2ヶ月は操作に慣れる期間として、3ヶ月目以降の数値で評価するのが現実的です。配車作業時間・ミス件数・担当者の残業時間などを導入前後で比較するとわかりやすいです。
まとめ
介護施設の送迎業務へのAI導入を整理すると、以下のポイントが重要です。
時間削減:毎朝の配車計画作成が大幅に短縮される(事例によって数分〜数十分)
コスト削減:燃料費・人件費の削減が期待できる
属人化解消:システムにノウハウが蓄積され、担当者交代時のリスクが下がる
当日対応:急なキャンセルでもルート再計算がボタン1つで完了
費用対効果の判断:現状の作業時間を計測し、月額費用と比較するだけでよい
「コストに見合うかどうか」の判断は、まず現状の作業時間を1週間記録することから始まります。数字が見えると、導入判断がぐっとしやすくなります。
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