top of page

デイサービスの送迎トラブル・苦情の事例と防止策【現場向け】

1 日前
読了時間: 12分
青い背景のWebページで、デイサービス運営ガイドの見出し「デイサービスの送迎トラブル・苦情」と、下部に事例と原因、防止策の一覧、苦情の記録のボタンがある。

※本記事は一般的な情報です。運営基準などの解釈は、指定を受けている自治体にご確認ください。


この記事では、デイサービスの送迎トラブルを4種類に整理します。

  1. 時間のトラブル(迎えが遅い・早い・車内が長い)

  2. 近隣からの苦情(狭い道での駐停車・アイドリング)

  3. 利用者・ご家族とのトラブル(順番の不公平感・慌ただしい対応)

  4. 連絡・引き継ぎのトラブル(欠席や変更がドライバーに届かない)


どれも、ドライバー個人の注意だけでは防ぎきれません。送迎の計画にゆとりがない、必要な情報が共有されていない、といった仕組みの側が原因になっている場合があります。

この記事では、よくあるトラブルの例と原因、すぐにできる防止策をまとめました。苦情が来たときの対応手順と、記録の残し方も紹介します。



デイサービスの送迎トラブルとは?よくある4つの種類

送迎トラブルとは、利用者の送り迎えに関わって起きる行き違いや苦情のことです。相手は利用者・ご家族だけでなく、近所の方や通行する車の運転手にも及びます。

種類

よくある例

苦情を言う人

時間

迎えが遅い・早すぎる、車内の時間が長い

利用者・ご家族

近隣

狭い道での駐停車、朝のエンジン音

近所の方・通行車

利用者・家族

迎えの順番への不満、慌ただしい対応、忘れ物

利用者・ご家族

連絡・引き継ぎ

欠席なのに迎えに来た、時間変更が伝わっていない

ご家族・ケアマネジャー

送迎中の事故や、降車忘れなどのヒヤリハットはこの記事では扱いません。デイサービス送迎の注意点で解説しています。


時間のトラブル

まず身近なのが、時間に関するトラブルです。

  • 迎えの車が、伝えていた時間より大幅に遅れる

  • 予定より早く着き、準備ができていないのに急かされる

  • ほかの利用者を回るため、車に乗っている時間が長い

  • 送りの時間が日によってばらばらで、ご家族が待ちきれない


ご家族は、送迎の時間に合わせて仕事や家事の予定を組んでいます。数分の遅れでも、連絡がないと不安や不満につながります。


近隣からの苦情

住宅地では、狭い道に送迎車を停めざるを得ないことがあります。その停め方や時間帯によっては、近所の方や通行する車から苦情が来ることがあります。


島根県が事業所向けに出した資料では、次のような苦情が県に複数件寄せられていると紹介されています。

デイサービスの送迎車両が通勤時間帯等の混雑時に狭い道に駐停車をすることにより、一般車両の通行の妨げになっている

同じ資料では、混雑する時間帯の駐停車について、時間の長さ・場所・方法に配慮するようお願いしています。

ほかにも、早朝のエンジン音や、乗り降りの間のアイドリングが、近所の方にとって気になることもあります。


利用者・ご家族とのトラブル

送迎の進め方そのものに、不満が出ることもあります。

  • いつも最初に迎えに来られて、車内で待つ時間が長い

  • 乗り降りのときに急かされた、声かけが少なかった

  • 杖や上着などの忘れ物があった


慌ただしい対応の背景には、時間に追われたスケジュールがある場合があります。ドライバーの接し方だけの問題とは限りません。


連絡・引き継ぎのトラブル

事業所の中の連絡がうまくいかず、トラブルになるケースです。

  • 欠席の連絡を受けたのに、ドライバーに伝わらず迎えに行った

  • 迎えの時間の変更が、送迎表に反映されていなかった

  • 「この方は玄関まで」などの注意事項が、代わりのドライバーに伝わっていない


迎えに行ってご家族が不在だった場合の対応は、デイサービス送迎で家族が不在のときの対応をご覧ください。


送迎トラブルが起きる4つの原因

4種類のトラブルの原因を、この記事では次の4つに整理します。

原因

起きやすいトラブル

計画にゆとりがない

時間・利用者とのトラブル

当日の変更が伝わらない

連絡・時間のトラブル

ルートや注意事項が担当者の頭の中にある

連絡・利用者とのトラブル

停める場所・時間帯のルールがない

近隣からの苦情


計画にゆとりがない

乗り降りにかかる時間を短く見積もると、後ろの利用者ほど遅れていきます。遅れを取り戻そうとして、乗り降りの介助が慌ただしくなります。

車いすの方、玄関まで介助が必要な方は、乗り降りに時間がかかります。この差が計画に入っていないと、同じ利用者のところで遅れが繰り返し出ることがあります。


当日の変更が伝わらない

欠席や時間の変更は、朝の忙しい時間に集中します。電話を受けた人と、送迎表を直す人、運転する人が別々だと、どこかで伝え漏れが起きます。


ルートや注意事項が担当者の頭の中にある

「この家は裏の道から入る」「この方は左側から乗せる」といった情報は、ベテランの記憶に残りがちです。その人が休むと、ほかのドライバーは同じように動けません。

この問題は、デイサービス送迎の属人化を防ぐ方法で詳しく扱っています。


停める場所・時間帯のルールがない

利用者のお宅ごとに「どこに停めるか」が決まっていないと、ドライバーはその場で判断します。混雑する時間に狭い道で停まると、近隣からの苦情につながります。

どれも、ドライバー個人の努力では解決しにくい原因です。だからこそ、計画と仕組みの側で手を打つと効果が出やすくなります。


種類別の防止策(すぐできること)

道具を変えなくても、今日から始められる対策をまとめました。

トラブル

防止策

誰が・いつ

迎えの遅れ・早すぎ

到着時刻は「9時10分ごろ(前後15分)」のように幅を持たせて伝える

相談員・契約時

遅れへの不満

遅れそうなときに連絡する基準(例:10分以上)を決める

管理者・事前に

車内の時間が長い

毎回同じ人が最初にならないよう、ルートの順番を見直す

送迎表の担当・月1回

近隣の苦情

お宅ごとに「停める場所」と「避けたい時間帯」を記録する

送迎表の担当・新規時

近隣の苦情

車に事業所名と連絡先を表示する

管理者・事前に

慌ただしい対応

乗り降りに時間がかかる方は、計画の時間を長めにとる

送迎表の担当・新規時

欠席の伝え漏れ

欠席・変更の連絡は、受けた人がその場で送迎表に書き込む

受けた職員・その都度

注意事項の伝え漏れ

利用者ごとの注意事項を、送迎表と一緒にドライバーへ渡す

送迎表の担当・毎日

到着時刻は「幅」で伝える

送迎の到着時刻は、道路の混み具合や乗り降りの時間で毎日少しずつ変わります。「9時10分」と1点で伝えると、5分の遅れでも「遅い」と感じさせてしまいます。

契約のときに「前後◯分ほど前後します」と説明しておくと、行き違いが減ります。


停める場所と時間帯を決めておく

駐停車の場所は、お宅ごとに次の点を決めて記録しておきます。

  • 車を停める位置(玄関前・角の空き地・少し先の広い場所など)

  • 混雑して停めにくい時間帯

  • 近所の方から言われたことがあれば、その内容


道路交通法では、交差点・横断歩道・自転車横断帯の上、交差点の側端や道路の曲がり角から5m以内、横断歩道・自転車横断帯の前後それぞれ5m以内などで、駐停車が禁止されています。乗り降りのための短い停車も対象です。停める場所は、こうした場所を避けて決めておきます。


連絡は「受けた人がその場で書く」

欠席や時間変更の連絡は、メモではなく送迎表に直接書き込むのが確実です。書き込んだら、ドライバーに伝えたかどうかもあわせて残します。


連絡を受けてから運転手に届くまでの手順は、生活相談員の業務マニュアルの「欠席や変更が出たときの連絡手順」も参考になります。


送迎車への苦情が来たときの対応手順

防止策をとっていても、苦情がゼロになるわけではありません。苦情が来たときは、次の5ステップで対応します。


  1. 受け付ける:相手の話を最後まで聞き、連絡先を確認する

  2. 事実を確かめる:いつ・どこで・どの車か、ドライバーに確認する

  3. お詫びと説明をする:事実に沿って説明し、今後の対応を伝える

  4. 再発を防ぐ:停める場所・時間・ルートなど、計画の側を見直す

  5. 記録して共有する:内容と対応を記録し、ほかの職員にも共有する


受け付けるときに聞くこと

  • □ 日時(何日の何時ごろか)

  • □ 場所(どの道・どのお宅の近くか)

  • □ 車の特徴(車種・色・事業所名の表示)

  • □ 何が問題だったか(停め方・時間・音・運転のしかた)

  • □ 相手の連絡先と、返事の方法


その場で原因が分からないときは、「確認して◯日までにご連絡します」と期限を決めて伝えます。


苦情の記録は運営基準で求められている

デイサービス(指定通所介護)の運営基準では、利用者とご家族からの苦情について、次のことが定められています。


  • 苦情を受け付ける窓口を設けるなどの措置をとる

  • 苦情を受け付けたら、その内容などを記録する

  • 記録は、完結の日から2年間保存する


定員18人以下の地域密着型通所介護にも、同じような定めがあります。

保存期間は、自治体の条例でこれより長く定めている場合もあります。指定を受けている自治体の基準を確認してください。


近所の方からの苦情は、この基準の対象とは限りません。それでも同じ形で記録しておくと、同じ場所での苦情が続いていないかを確かめられます。


記録に残す項目

項目

書く内容

受付

日時・受けた職員・相手の名前と連絡先

内容

いつ・どこで・何があったか

事実確認

ドライバーへの確認結果

対応

説明・お詫びの内容と日時

再発防止

見直した内容(停める場所・時間・ルートなど)

共有

誰に、いつ伝えたか

送迎表を作る仕組みで減らす

ここまでの対策の多くは、送迎表に次の情報を入れておくことです。


  • 利用者ごとの希望の時間

  • 乗り降りにかかる時間

  • 停める場所などの注意事項

  • 当日の欠席や時間の変更


ただ、これらをすべて考えながら、毎朝手で送迎表を組み直すのは大変です。「月に1回ルートの順番を見直す」といった作業も、手作業では後回しになりがちです。


そこで、送迎表をシステムで作る方法もあります。たとえばナビれるでは、前の章の4つの原因に次のように手を打てます。

トラブルの原因

ナビれるでできること

計画にゆとりがない

希望の到着時間や待機時間(乗り降りにかかる時間)を条件に入れて、送迎表のたたき台をAIが作ります

当日の変更が伝わらない

欠席や時間の変更を入れるとルートを計算し直し、ドライバー用アプリに通知します

注意事項が頭の中にある

「玄関前で待機」などの注意事項を、ドライバー用アプリの画面に表示します

停める場所のルールがない

停める場所を注意事項として残せます。また、お宅の前で左付けになる向きを考えてルートを組みます(実際に停める位置はドライバーが判断します)

ドライバー用アプリでは、送迎便を選んで「出発する」をタップすると、GPSの記録が始まります。利用者宅への到着・出発はGPSで自動で判定され、判定されなかったときはアプリから手動で記録できます。


苦情が来たときは、記録がある便ならその日の時刻を確かめられ、ドライバーの記憶だけに頼らずに済みます。記録がない便は、計画上の時刻が表示されます。


よくある質問

Q. デイサービスの送迎車に苦情を言いたいときは、どこに連絡すればいいですか?

まずは、その送迎車のデイサービス事業所に連絡するのが早道です。車に事業所名が書かれていれば、そこから連絡先を調べられます。事業所に伝えても改善されない場合は、事業所を指定している自治体の介護保険の担当課に相談する方法もあります。利用者やご家族の場合は、担当のケアマネジャーや、都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)の苦情窓口にも相談できます。道路の安全に関わる危険な駐車は、警察に相談してください。


Q. 迎えの時間は、どのくらいの幅で伝えるとよいですか?

決まった基準はありません。道路の混み具合や、前の利用者の乗り降りにかかる時間で変わるためです。「9時10分ごろ、前後15分ほど」のように、事業所のルートの実情に合わせた幅を決めて伝えるのがおすすめです。幅を超えて遅れそうなときは、事前に電話で知らせるルールにしておくと安心です。


Q. 自宅前に車を停める場所がない利用者はどうすればいいですか?

近くの広い場所や、通行の妨げになりにくい位置を、ご家族と相談して決めます。決めた位置はお宅ごとに記録し、どのドライバーでも同じ場所に停められるようにします。自宅の中のどこまで介助するかなど、送迎の範囲はデイサービス送迎はどこまで?で解説しています。


Q. 送迎のトラブルや苦情は記録しておく必要がありますか?

利用者とご家族からの苦情は、運営基準で内容の記録が求められています。記録は完結の日から2年間の保存が必要で、自治体によってはさらに長い期間を定めています。近所の方からの苦情も、同じ形で記録しておくと再発防止に役立ちます。


まとめ

デイサービスの送迎トラブルは、次の4種類に分けると防ぎ方が見えてきます。

  • 時間のトラブル

  • 近隣からの苦情

  • 利用者・ご家族とのトラブル

  • 連絡・引き継ぎのトラブル


ドライバー個人の努力だけでは防ぎにくく、計画と仕組みの側で手を打つと効果が出やすくなります。時間の幅、停める場所、注意事項、当日の変更。これらを送迎表に入れて共有しておくと、誰が運転しても同じように送迎しやすくなります。

苦情が来たときは、事実を確かめて、計画の側を見直し、記録に残すことが大切です。


送迎表に「ゆとり」と「情報」を入れるなら「ナビれる」

ナビれるは、アビココ株式会社が開発した、送迎業務がある医療・福祉施設向けのAI送迎支援システムです。デイサービスのほか、放課後等デイサービスや透析クリニックなどでもご利用いただけます。


毎朝の送迎表は、たたき台をAIが作ります。


  • 毎朝の送迎表:希望の時間や車両の条件をもとに、たたき台をAI自動配車で作成(最終的な調整は担当者が行います)

  • 当日の変更:休みや時刻の変更を入れて計算し直し、ドライバー用アプリに通知

  • 送迎中:注意事項をアプリに表示。「出発する」をタップすると、到着・出発の時刻をGPSで自動記録(判定されないときは手動でも記録できます)

  • 始めるとき:ご希望に応じて、利用者・スタッフ情報の初期登録を無料で代行


初期費用0円、月額2,500円/台(税別)でご利用いただけ、1ヶ月のお試し期間もご用意しています。お試し期間は無料で、終わったあとに自動で有料に切り替わることはありません。



アビココの会社案内や開発実績の資料はこちらからご覧いただけます。


参考文献

コメント

5つ星のうち0と評価されています。
まだ評価がありません

評価を追加
bottom of page